傷あと(瘢痕)
傷跡が引きつれることを瘢痕拘縮と言います。拘縮が原因で痛みが生じたり関節の動きが妨げられたりする時には手術の適応となります。拘縮範囲が狭い場合には近傍の皮膚を皮弁として移動させる手術を行いますが、範囲が広い場合には植皮術や遊離皮弁の適応となります。
肥厚性瘢痕、ケロイド
肥厚性瘢痕
外科手術やけがなどで真皮中層から深い部分に広範囲に損傷が及んだ場合に発生することがある、傷あとが赤く盛り上がり、痛みや痒さを伴うことが多い疾患です。
治療方法
抗アレルギー薬の内服
ステロイド含有テープの貼付
ステロイド薬の局所注射
病変部の切除(手術)
手術の際、傷に緊張がかからないように工夫して皮膚を縫合し傷跡をきれいにする工夫を行っております。
ケロイド
肥厚性瘢痕と症状は似ていますが、ニキビ跡などの浅い傷でも発症することがあります。もともと存在した傷跡から拡大する傾向があり、ケロイドと肥厚性瘢痕とは全く違う疾患です。
治療方法ですが、①-③は肥厚性瘢痕と同じです。手術をする場合にケロイドの悪化を防ぐためにケロイド内で切除することがあります。手術後には再発防止のために電子線(放射線)照射を行います。