【初診外来受付時間】8:45~11:30(※紹介状や予約が必要な診療科をご確認ください)
【休診日】土曜・日曜・祝日・年末年始 【面会時間】14:00〜17:00(面会条件あり)
担当医 | 武田孝輔 医師、石川奈美子 医師 |
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外来 | 血管腫外来(金曜日) |
体表・軟部の血管性病変は慣用的に血管腫と呼ばれてきましたが、1996年のISSVA(International Society for the Study of Vascular Anomalies)分類により、血管性病変は血管腫と血管奇形に大別されました。
血管腫はこれまでいちご状血管腫や単純性血管腫と呼ばれてきましたが、近年はそれぞれ乳児血管腫、毛細血管奇形と分類されております。
血管奇形は、単純性血管腫と呼ばれていた毛細血管奇形、静脈奇形、動静脈奇形に分類されますが、病変が混在する場合もあります。
生後間もない赤ちゃんにできることが多い血管腫ですが、生まれたときにできていることもあります。
生後1年くらいまでに徐々に盛り上がりいちごのように膨れた形状を呈しますが、自然に小さくなり小学校低学年くらいまでに退縮することが多いのです。しかし、血管腫が大きいと潰瘍を生じ出血する可能性があること、一旦膨れた皮膚は血管腫が消褪してもしわしわの瘢痕や赤みや茶色みが残ったりすることがあります。このような後遺症を防ぐために、近年は大きく盛り上がる前に内服治療やレーザー治療を行うことが多くなってきました。
また、まぶた、おしり、口の周りや口の中にできた場合には視力障害や感染、摂食障害や気道圧迫を引き起こす可能性がありますので早期より内服治療を行いますので、専門医師の受診をお勧めいたします。
赤色に反応するレーザーの光が病変部に吸収されることを利用して、レーザー治療が行われています。当科ではレーザーのパルス幅(照射時間)を調節できる機能を有する波長595nmの可変式色素レーザーV-Beamを使用しております。血液中のヘモグロビンに選択的に吸収されるため、病変部ではヘモグロビンがレーザーエネルギーを吸収し熱変換することで血管内壁が破壊され血管を閉塞させることで赤い色を消していきます。ダイナミッククーリングディバイスという機能を搭載しレーザー照射直前に氷風を吹きつけることにより皮膚を保護しながら血管性病変への照射が可能となり、熱傷が生じる危険性が改善されました。血管性病変には保険が適応されます。(美容のページ参照)個人差があるため数回の治療が必要となる場合もあります。
「V-Beam」とは、血管性病変の治療目的に開発された「ダイレーザー」を改良したパルス波色素 ダイレーザーものです。パルス幅は可変式なため、赤あざの治療目的だけでなく、赤ら顔、ニキビ・ニキビ痕、酒さなど様々な用途があります。
Vbeamから発振される波長 595 ナノメートルのレーザー光は、血液中のヘモグロビンに選択的に 吸収され熱変換することで治療効果をもたらします。また、Vbeam はレーザーのパルス幅(照射時間)を調節できるため毛細血管の血管径に応じた照射時間を適宜設定することが可能となりました。皮膚冷却装置がついているため、表皮へのダメージが少なく、照射時の痛みもより少なくなりました。
Candela社のVbeamは、厚生労働省より日本で使用認可を受けているため、ポートワイン母斑や 血管腫などの血管病変治療に健康保険が適応されます。さらに、保険診療適応外ですが、Vbeam 照射によりコラーゲンの造成をもたらすため、皮膚の若返り、日焼けや加齢によるしみ、細かいしわなどの治療が可能です。
単純性血管腫、苺状血腫、毛細血管拡張症、赤ら顔等の赤いものに効果があります。また、ニキビなどの炎症により赤くなっている部分にも効果があります。また、小じわにも効果があります。
赤あざや毛細血管拡張などでは血管の中の血液が焼けるため、今まで赤かったところが黒や紫 色のあざのようになる(内出血を起こす)場合がありますが、2~3週間で徐々に吸収されます。ニキビの炎症や、小じわとりでは治療後の副作用はほとんどありません。治療効果は個人差があ りますので数回の治療を必要とすることがあります。