公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

形成外科

重要なお知らせ

当院でアラガン社のインプラントを使用して乳房再建あるいは豊胸術を施行された患者様へ

アラガン社のテクスチャードタイプのシリコンインプラントおよび組織拡張器(ティッシュエキスパンダー)が、ブレスト・インプラント関連未分化大細胞型リンパ腫BIA-ALCL(BIA-ALCL:Breast Implant-Associated Anaplastic Large Cell Lymphoma)の発症に関連性があると指摘されたため、2019年7月24日同社が世界市場から自主回収し販売停止の運びとなりました。

BIA-ALCLは稀な疾患であり現在発表されているBIA-ALCLの発生頻度は1/3,817-30,000と推定されておりますので、現時点ではインプラントの抜去は推奨されておりません。しかし、既にインプラントを挿入されている患者様に対しては2年(できれば1年)に1回の定期受診が必要になります。

BIA-ALCLに関しての詳細は日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会のホームページより「一般の皆様へ」をご選択いただき、「お知らせ」をご参照ください。

その他、ご不明な点がございましたら、形成外科外来までお問合せください。

【お問い合わせ先】
北野病院 形成外科外来

形成外科に興味がある若手医師へ

2020年4月より、当院を基幹病院とし日本赤十字社大阪赤十字病院、日本赤十字社和歌山医療センター、京都大学病院、滋賀医科大学、かもがわクリニックで構成される北野病院形成外科専門研修プログラムが開始されております。
形成外科の研修プログラムでは4年間の研修のうち最低6ヶ月の基幹施設での研修、最低3ヶ月間の地域医療研修が義務付けられていますが、これらの病院で研修することにより豊富な症例を経験でき、専門医取得後に大学院に進学することも可能です。
当院での形成外科研修を希望される学生さんや研修医の先生方の見学を歓迎しております。

学術集会のお知らせ

第136回関西形成外科学会学術集会

会期 2024年7月7日(日)
開催会場 公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院 新館2階「きたのホール」
詳細 第136回関西形成外科学会学術集会

形成外科について

ご挨拶

形成外科は主に体表の形態に関する多彩な疾患を扱っている診療科です。当科は形成外科領域で扱われるほとんどの疾患に対応しています。
代表的な取扱い疾患に皮膚腫瘍(良性、悪性)、顔面骨骨折などの外傷、リンパ浮腫、下肢静脈瘤、眼瞼下垂、顔面神経麻痺、悪性腫瘍切除後の変形や組織欠損に対する再建、多合指症、耳介変形や唇顎口蓋裂などの先天生疾患、美容診療があります。
拡大鏡(ダーモスコープ)による皮膚の検査、顕微鏡下に特殊な器具を用いて行う手術(マイクロサージャリー)、繊細な縫合技術などを行い各分野にて常に先進の治療に取り組んでいます。これらの技術を追求し疾患の治療のみならず傷跡を可能な限り目立たなくするような治療を行い生活の質(quality of life, QOL)が向上するように努力しています。
また、当科では臨床応用を目的として脊髄損傷をはじめとした中枢及び末梢神経の再生やリンパ管再生の研究を行っております。お気軽に形成外科にご相談ください。

特色(主な治療・医療機器・先駆的な取組み 等)

  • 繊細な縫合と皮膚の操作技術により最小限の手術痕となるよう努力しています。
  • 拡大鏡(ダーモスコープ)による皮膚の検査を行っています。
  • 乳癌術後の組織欠損に対し、乳腺外科医と協力し人工物(シリコンインプラント)や自家組織(広背筋、腹直筋、遊離深下腹壁動脈穿通枝皮弁)による再建術を行っています。
  • 手術用顕微鏡を使ってリンパ管、細い血管や神経の縫合をマイクロサージェリーの技術を用いて行っております。リンパ浮腫に対するリンパ管細静脈吻合術を行う際にはICG蛍光観察用光源装置を備えた顕微鏡で手術中に細いリンパ管を造影し正確にリンパ管と細静脈を縫合しています。
  • 皮膚の硬化やむくみ、潰瘍を生じた下肢静脈瘤に内視鏡を用いた筋膜下不全穿通枝切離術(SEPS)を行っている数少ない施設の1つです。これは、内視鏡下静脈疾患治療研究会が中心となり2009年5月から先進医療認可を受け2014年4月からは保険収載されている術式です。この方法では病変のある皮膚に切開を加えず健常な皮膚から筋膜下層に内視鏡を挿入し潰瘍の原因となっている不全穿通枝(深部静脈と皮膚に近い部分にある表在静脈を結ぶ細い静脈)を切離しますので新たな潰瘍の発生や創部の治癒遅延を避けることができます。
  • 顔面神経麻痺により閉瞼障害(眼が閉じなくなる事)がひどくなると角膜潰瘍が発症します。
    この角膜潰瘍に対し神経移行術による角膜知覚再建術を行っている数少ない施設の1つです。
  • 顔面神経動的再建により笑った時や話すときの顔面のゆがみを正常に近づける手術を行っています。
  • 下肢静脈瘤に対しては、通常の大伏在静脈ストリッピング手術に加え高周波治療を行なっています。高周波治療は全身麻酔に加え日帰り手術にも対応しています。
  • 小児の日帰り全身麻酔手術を行っています。
  • 乳児血管腫やスタージウエーバー症候群などの血管病変に対するロングパルス色素レーザー(Vビーム)照射を保険診療にて行っています。
  • 美容外来でアンチアイジング治療、ホクロやシミに対するレーザー治療や男性の髭を含む脱毛レーザー治療を行っています。

専門研修プログラム

お知らせ