公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

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顔面軟部組織損傷

顔面軟部組織損傷

損傷が皮膚や皮下組織のみに限局しているのか、筋肉、血管や神経の損傷を伴うのかにより治療方法が変わります。

擦過傷(いわゆる擦り傷)

縫合処置は行わず充分な洗浄のあと軟膏による治療が行われます。傷の中に砂などの異物が残った場合には傷跡が黒くなる外傷性刺青を生じます。外傷性刺青はレーザーで目立たなくすることが可能です。

涙道損傷

涙を鼻腔に流出する管(涙小管)などの損傷がある場合には専門的な修復治療が必要となります。涙は目頭近傍の瞼縁の涙点から吸収され、涙小管を経て涙嚢に溜まり鼻涙管より鼻腔へ排出されます。これらの経路が損傷を受けると涙液の鼻腔への排出が障害されるため涙があふれる(流涙)、眼脂がたまる、結膜炎が起きやすくなります。
治療は、断裂した管を縫合して管を再建しますが損傷が大きい時には管の癒着や狭窄を防ぐためにシリコン製のチューブを挿入します。

涙道チューブ

こうした組織の損傷がなければ、損傷部が綺麗に治るよう細心の注意を払って縫合を行います。損傷による組織欠損が広範囲であれば皮弁による再建が必要です。