ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を修得し、看護ケアの質向上に貢献する看護師をリソースナースと呼んでいます。
当院では、日本看護協会の認定審査に合格した専門看護師・認定看護師と、厚生労働省の定める特定行為研修を修了した20数名が、リソースナースとして活躍しています。
がん看護専門看護師として、がん患者様の抱える身体的・心理的・社会的・霊的苦痛を理解し、QOL(生活の質)の向上を目指し、多職種と連携を図りながらケアを提供しています。
がんとともに生きる人が、その人らしく生きることができるように、生活を支えるという看護の視点を持つことを意識し、患者様とご家族に寄り添いながら、患者様の大切にしている価値や信念に基づいた意思決定ができるように支援することや、がん患者様とご家族の本来持っている力を信じ、引き出すことを心がけています。
また、水準の高いがん看護が提供されるよう、看護師に対する教育を行うことや、実践されている看護を一緒に振り返る機会を大切にしたいと思っています。その他にも、臨床では倫理的な問題に直面することが多くあり、看護師には倫理的態度が求められることから、倫理的課題を検討できる場を整えたいと考えています。
2023年12月から北野病院へ入職し、感染制御対策室で勤務しております。感染症発生時に、患者様及びご家族や職員に対して、迅速に適切な対策を講じ、指導や教育を行うのはもちろん、平時からの感染対策の向上に努めることが重要だと考えています。そのため、感染制御対策室のスタッフだけではなく、他のICTメンバーとも協働したラウンドやサーベイランスの実施、研修会開催などを通じて感染防止活動を充実させていきたいと思います。
感染管理認定看護師として、患者やその家族、医療従事者を医療関連感染から守るための活動を行っています。私は現在、整形外科、呼吸器内科の混合病棟で勤務しています。日々、現場の中で、看護師、医師、多職種の感染対策実施状況の確認やスタッフ教育を行い感染対策の強化を図っています。
患者様へ安全・安心で質の高い看護を提供できるよう日々感染対策の強化につとめています。
2014年に感染管理認定看護師の資格を取得し、2019年4月から北野病院へ入職致しました。現在は、救急部で勤務しております。主に所属部署での感染対策の充実や、ICTのメンバーとして組織横断的に院内全体の感染管理向上を目標に活動しています。感染管理は一人の力ではなし得ず、医療従事者だけでなく、患者・家族を含めた当院に関わる全ての方々の協力を得ることが必要です。そのために、他の感染管理認定看護師や管理者とも協働し、現場で必要な情報やより実現可能な感染対策を検討・発信したいと考えています。感染管理活動を通して、当院でのより質の高い看護の提供に貢献できるよう、尽力していきたいと思います。
ストーマ・失禁管理についてのコンサルテーションを中心に活動しています。創傷ケア、ストーマケア指導、ろう孔ケア、スキンケアについてベッドサイドでスタッフと一緒にケアに携わっています。ストーマ、褥瘡保有の患者様へは、在宅訪問を行っています。在宅でのケア方法や問題点について考え、日常生活支援をしています。特定行為では医師の包括的指示のもと、壊死組織の除去、閉鎖陰圧療法を行っています。
褥瘡管理者として、院内を組織横断的に活動しています。
定期的に研修を開催し、集合教育を行うことで知識・技術の充足に努めています。また、データ管理を行い、当院の傾向を把握し、問題解決に取り組んでいます。
褥瘡発生のリスクのある患者様に対しては、病棟スタッフととともに、アセスメントし、スキンケアや体圧管理などの褥瘡予防対策を実践、指導しています。
褥瘡がある場合は、医師とともに治療方針を検討し、治療や悪化予防を行っています。また、多職種で構成される褥瘡対策チームで週に1回の褥瘡回診を行っています。褥瘡の早期治癒を目指し、各々の専門性を生かして褥瘡ケアを行っています。
また、院外では訪問看護師など、地域の方々とも情報を共有して、褥瘡予防・治療ケアを行っています。
糖尿病患者は年々増加傾向にあり、成人の5人に1人が糖尿病を持つと言われています。私は、糖尿病療養支援外来において、インスリン治療中の患者様、妊娠期糖尿病の患者様、治療効果が得られない患者様などを対象に療養支援を実施しています。療養支援では、患者様の生活状況を一緒に振り返り、治療にフィードバックしています。患者様が糖尿病を持ちながらもその人らしく生活できるようにサポートしていきたいと考えています。また、当院では、毎週水曜日に糖尿病教室を開催し、糖尿病に関する知識、生活に活用していただける情報を様々な専門の職種により提供しています。入院・外来患者様を問わず、どなたでも参加していただけますので、是非お立ち寄りください。
緩和ケアとは、がん終末期患者へのケアではなく、生命を脅かす疾患を持った患者様とそのご家族に対しての様々なアプローチであり、私たちは多くの疾患を持った患者様が治療や療養生活に対して前向きに生活できるための援助を行っています。がん相談支援センターを中心に活動していますので、何かお困りのことがあれば、気軽にがん相談支援センターを利用していただきたいと思っています。
またケアの対象を患者・家族に絞るのではなく、基礎看護の知識と技術に根ざした看護師への支援、専門的知識・技術に根ざした多職種への支援も行っており、「困っている人」「苦しんでいる人」という視点での活動も行っています。その一つとして、毎年がん看護に関連した教育コースを開催しています。ケアの質の向上だけでなく、働く看護師の満足度も高められるような役割を担っていきたいと思っています。
緩和ケアは生命を脅かす疾患を抱える患者様とそのご家族の身体的・精神的苦痛など様々な辛さを和らげ、病気や治療と向き合いながらご本人の望む治療や療養ができるようにサポートをすることが大切だと考えています。
緩和ケアチームに所属しており、主治医や病棟スタッフと協働し、身体的な苦痛症状の緩和、患者様やそのご家族が抱える不安や心のつらさへのサポートを行っています。
目の前にある問題をどのように乗り越えるか、何を大切に生活していきたいかなど患者様とそのご家族の意向を確認し、その人の大切にしてきたものを尊重しながら大切な時間を過ごせる環境やより良いケアが提供できるようサポートをしていきたいと思います。
緩和ケアは生命を脅かす疾患を持った患者様とそのご家族が抱えている様々な苦痛を和らげるためにアプローチをすることで、急性期からの緩和ケアを意識して早期から向き合うことを大切に考えています。
私は現在、病棟に所属しており、患者様とそのご家族のニーズに応える看護ケアを行うために、定期的にカンファレンスを開催しています。また、少しでも安心して退院後の生活を送ることができるよう、個別性のある生活指導を行うよう心掛けています。
その人らしい療養生活を送るためには様々な決断をする必要があり、そのためにはご家族の協力も重要となります。患者様だけでなくご家族の思いも大切にしたサポートを行っていきたいと思っています。
また、私は「栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連」という輸液に関する特定行為研修を修了しています。患者様の身体の状態を専門的な知識や技能を用いて観察し、安全安楽なケアを提供していきたいと考えています。
現在日本人は、一生のうちに2人に1人が、がんに罹患すると言われています。がん治療におけるがん薬物療法は、手術療法、放射線療法とともにがん治療の1つとして重要な位置にあります。がん薬物療法の目的は、がんの完治はもちろん、延命、症状緩和、術後補助療法、術前補助療法、放射線療法との併用などにより、がんによる苦痛からの回避や軽減を図ることです。治療が多様化する中で、患者様は治療に対する不安、病気の進行に対する不安、治療により生活が変化する不安など、さまざまな不安を抱えています。がん化学療法看護認定看護師として、薬物治療を受ける患者様一人ひとりの価値観に寄り添い、その人らしい生活が維持できるように、正しい情報を提供し、セルフケア指導や意思決定支援を行っていきたいと思っています。また、がん薬物治療に携わるすべての看護師が同じように質の高い看護が提供できるようにスタッフ教育も心がけていきたいと思っています。
がん薬物療法看護認定看護師は、がん薬物療法に関する専門知識と技術を活用し、安全で適切な投与管理や、がん薬物療法による副作用症状に対するマネジメントを行う役割があります。がん薬物療法を受けられる患者様が安心・安全に治療を受けていただける環境を作れるように努めていきたいと思っています。また、患者様がその人らしく、生活をしながら治療を続けていけるよう患者に寄り添った支援をしていきたいと考えています。
がん薬物療法に携わる看護師が、患者を中心とした看護を実践できるような教育にも尽力したいと思います。
特定行為では医師の指示のもと、栄養及び水分管理に係る薬剤投与を実践していきたいと思います。
乳腺外科外来等のブレストセンターを中心とした様々な所で活動をしています。乳がん治療は長期にわたることが多く、様々な治療が選択できる半面、自分で選択しなければならない場面も多くあります。個々の患者様に応じた治療や生活を一緒に考え、がん治療と仕事や家事育児などの社会生活が両立できるようなお手伝いやアドバイスは乳腺看護相談外来にておこなっています。
がん患者様全般のご相談はがん相談支援センターでお受けしています。また、患者様同士が安心して治療を受けながら生活ができる事を目的とした「がん患者サロン」があります。様々なボランティアさんの協力のもと、定期的に開催しています。ぜひ足をお運びいただき、お気軽にお声をかけてください。
放射線治療は、治療効果を最大限に得るために、計画された治療の完遂が重要となってきます。治療による副作用症状などにより治療期間が延期されれば、その効果は低下します。放射線療法看護は、放射線治療に伴う副作用症状の予防・早期発見・対処ができるように、患者様ひとり一人に応じたセルフケア指導を含めた支援を行います。
がん患者様が治療生活を送る中で、身体や心がつらくなることがあるかと思います。そんな時もその人の思い・価値観に沿った生活を送ることができるよう、患者様・ご家族様と対話し、一緒に考え支援したいと思います。新館の放射線治療センターで勤務しておりますので、お気軽にお声かけください。
また、放射線治療に関わるすべての部署の看護師への指導・相談に対応し、放射線治療への理解を深めることで看護の質の向上にも努めます。
手術室看護は、手術決定から回復期の周術期にある患者様・ご家族様の看護において、手術侵襲の低減と回復促進を視野に入れ、身体的・心理的・社会的な情報を総合的に判断し、個別的なケアを計画、実施を行います。
手術を受ける患者様・ご家族様は手術決定から期待と不安を持っておられます。その複雑な状況に置かれている患者様・ご家族様に心を寄せ、専門的な知識と技術を持って、権利を擁護し、自己決定を尊重した手術看護を実践できるように、術前からの関わりに重点を置き患者様と向き合っています。
また手術看護認定看護師として、患者様が安全で安心な最良な手術を提供できるように、周術期にある患者に関わる全ての医療スタッフがそれぞれの専門性を発揮し、より高い医療を推進するため他職種と協働できるよう調整的役割を担っています。
中央手術室で手術看護認定看護師として活動しています。
手術を選択した患者様の意思決定を支援し側に寄り添い、術前から安心安楽に過ごせるように看護を実践しています。また、手術が安全に円滑に遂行できるよう他部署・多職種と協働してチーム医療を展開し質の高い周術期看護の提供を目指しています。
特定行為研修を修了し手術部内で特定看護師としても活動をしています。特定行為研修で習得した医学的知識・技術をもとに病態アセスメント・判断・特定行為実践を行い、麻酔科医師のもと麻酔導入・覚醒のアシスタント、術中麻酔監視を行っています。看護を基盤に医学的視点を含めた特定行為を通して、質の高い医療・看護の提供に取り組んでいます。
手術看護認定看護師として手術室で勤務しています。ロボット支援手術など医療技術の進歩に伴い、手術看護も高い知識とスキルが求められています。子どもから高齢な方まで幅広く、また複雑な基礎疾患をもつ患者様でも安全に手術を受けられるよう、患者様を取り巻く様々な部門と連携し、チーム医療における橋渡しの役割を目指しています。
手術という大きな決断をされた後、手術室では自分に何が起こるのか、不安や緊張を感じられる患者様が多いと思います。術前から患者様の手術への思いを尊重しながら寄り添い、麻酔中はその思いを代弁できるように努めます。また、手術中は患者様の心身の負担を最小限にし、早期に回復できるよう質の高い看護を提供していきたいと考えております。
私は2008年に認定取得後、他施設を経て2023年3月から、当院に就職し外来救急部に配属されました。当初から救急部は、月1,000台を超える救急車を受け入れるとともに、近隣地域連携病院からの救急紹介を含めたwalk-in患者を合計すると月2,000人を超える患者様の救急診療を行っています。そのため、個々の患者様に対して迅速に緊急度・重症度を判断し、救急診療が適切に受けることができるよう救急看護師の専門性を発揮し、実践する力がとても重要であると考え、実践指導を通した活動を主にしています。
その他、チーム医療では、院内救急対応システムの対応チームとしての活動や、院内の防災・災害活動に関わるメンバーの一員として活動しています。当院はこれまでの経験を活かしつつ、さらにレベルアップできる環境が整っていると思います!
近年、ICU入室が必要な重症患者の短期的予後は著しく改善しています。
しかし、ICUを退出した患者の3分の1は6ヶ月以内に死亡し、3分の1は何らかの障害が残存し日常生活に障害があることが明らかになっています。救命率が上昇した現在、重症患者が生き延びた後に起こりうる「身体」や「こころ」の問題を医療・看護スタッフが知り、重症患者のQOL改善を目指した長期的視野に立った戦略が重要となってきます。
ICU入室患者のゴールは、ICU退室ではなく、退院でもない。その先にある、『その人がその人らしく生きていけること』にあると考えています。そのためには長期的予後改善を目指したケア介入がとても重要です。また、活動はICUでのケアに留まらず、他病棟連携・多職種連携・協働により重症患者の長期的予後改善に向けた取り組みを実践していきたいと考えています。
新生児集中ケア認定看護師の主な活動の場はNICUです。NICUでは予定より早く生まれた赤ちゃんや小さく生まれた赤ちゃん、その他さまざまな理由で入院を余儀なくされた赤ちゃんとそのご家族のケアを行っています。赤ちゃんは急激な変化を遂げることが多いため、予測したケアが求められます。重篤化を予防するとともに生理学的な安定を促すことを目的として、ディベロップメンタルケアを実践し、赤ちゃんが健やかに成長していくことができるようチームでケアを行っています。また、予期せぬ出産となり、不安を抱いているご家族に対して赤ちゃんとの関係を築けるよう支援しています。安心して退院後の生活のスタートを切っていただけるよう、入院時からご家族のサポートを行っています。
認知症者や認知機能が低下した高齢者の方が、手術や点滴の治療を目的に入院されます。入院するというだけでも不安や苦痛が伴いますが、認知症者の方は、不安や苦痛がさらに大きくなってあらわれ、混乱を招いてしまうことは少なくありません。認知症の方それぞれの認知機能の障害に応じたケアを提供し、入院と治療にともなう不安や苦痛を軽減することが、認知症看護認定看護師の主な役割になってきます。
いろんなケアがありますが、その方の自尊心を傷つけないことを第一に活動しています。そのために、目線を合わせて「応答をゆったりと待つ」姿勢を大切にしています。北野病院では、認知症看護認定看護師を中心とした、医師、薬剤師、作業療法士、ソーシャルワーカーなどの多職種で認知症ケアチームでの活動も行っております。また職員への教育も行っています。
入院して、不安があるなあと感じておられる患者様、ご家族様はぜひ病棟看護師にご相談ください。
平均寿命が80歳を超えて久しい超高齢社会である日本では、認知症であることは珍しいことではありません。認知症者は日常生活を一人で営むことが困難となり、手助けが必要となります。慣れた環境での生活は営めても、入院することによる環境の変化は不安や混乱を招くことも少なくありません。その不安や混乱を少しでも軽減し、治療が安全に受けていただけるように環境を整え、退院後の療養環境のことも視野に支援することが、認知症看護認定看護師の役割のひとつです。
私は現在、脳神経センターで病棟勤務をしながら、認知症ケアチームでの活動を行っています。ご家族は日々変化していく認知症者と接しながら不安や戸惑いを抱いておられることもあります。どのようにかかわることが認知症者の安心に繋がるのか、共に考えながら認知症者を支えていきたいと思っています。何かお困りのことや心配なことがありましたら、ご相談ください。
高齢化社会や生活習慣病の増加により、心不全患者様は増加傾向にあります。心不全とは、高血圧や心筋梗塞・不整脈などを抱えた事により、心臓の機能が弱ってしまい、増悪と寛解を繰り返す「治らない病気」と言われています。そのため、患者様自身が病気を理解し、塩分や水分制限・症状観察など、症状悪化を防ぐための日常生活が必要となります。そのサポートを行うことが、私の大切な役割になります。入院時から退院を見据えた関わりを持ち、皆様が「自分らしく」過ごせるよう、看護外来を通じて退院後も継続的なサポートをしていきます。医師・看護師・薬剤師・栄養士・リハビリテーションスタッフとも連携していき、生活での困りごとなど、様々な相談に対応していきますので皆さん、一緒に心不全と上手く付き合えるよう頑張りましょう。