北野病院ブレストセンターの設立について
乳がん患者様の数は年々増加しています。乳がん患者様には関係する各科が協力して横断的なチーム医療で対応する必要があるため、当院では2014年4月1日に北野病院ブレストセンターを設立いたしました。これにより乳がんのチーム医療に関わる医療者が結束し、チーム医療をより強い協力体制を持って展開し、多くの患者様により高度で温かく最適な乳がん診療をシームレスに提供させて頂くことが出来るようにしています。
ブレストセンターを設立することによる利点は
乳腺に関するどのようなご病気にも対応します。
- 乳腺に関するどのようなご病気にも対応します。患者様が乳房の症状に関してはとりあえずブレストセンターを受診すれば良いと簡便に考えていただけるようになります。さらに受診後は各科の医師が患者様のデータを共有し、ディスカッションをして問題点の解決にあたるため、より正確な診断と治療が提供可能となります。
- 近隣のご施設からの乳腺疾患患者様のご紹介状をすべて地域連携室経由で単純に「北野病院ブレストセンター担当医宛て」とさえ明記して頂ければ、センター内で受診していただく科と担当医を前もって決めさせていただきます。
- 乳がんの治療においては患者様ごとに最適と思われる治療方法を相談させていただきます。乳房再建を希望される患者様には形成外科と共に、化学療法や放射線治療が必要な患者様には腫瘍内科や放射線治療科とともにという風に、多診療科と常に連携を取りながら患者様に必要で安全な治療を提供します。
- 乳がん看護認定看護師が乳腺看護の中心的存在として患者様の身体と心のケアにあたります。手術前後の不安な点、抗がん剤治療時の生活上の不安や副作用対策のご相談、さらには医師とはお話しづらい内容のご相談に対しましても対応いたします。さらに薬剤師、理学療法士、ソーシャル・ワーカーなど多職種の人々も患者様が安心して治療を受けられるように携わって参ります。
- 遺伝カウンセリングは、今後コンパニオン診断やゲノム医療に向けてますます診療の中で重要になってきます。近隣の病院からのご依頼も増加して参りました。2018年4月から常勤の遺伝カウンセラーが1名増え、ブレストセンターの中で遺伝性乳がんに対する総括的な対応ができる体制を取っています。ご家族に乳がん以外でも、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんがおられる場合は是非ご相談ください。遺伝子検査はまだ自費診療が中心ですが実施可能としています。
以上、ブレストセンターを設立することによる利点を記載しました。この設立により乳がんのチーム医療に関わる医療者の結束がより高まり、多くの乳がん患者様に質が高く、温かい乳がん診療をシームレスに提供できると期待しています。
平成30年7月
乳腺外科 高原 祥子
形成外科 鈴木 義久
放射線科 高木 雄久
腫瘍内科 西村 貴文
乳癌患者のトータル・ケアを行う北野病院ブレストセンター
診療科について