公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

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●11月5日行われた第7回アクロメガリーフォーラムで、家族性先端巨大症の遺伝子解析を報告した藤本医師が奨励賞を受賞しました。  <表彰式の模様(写真)>

第一回大阪マラソン、無事完走しました!!

スカッとした秋晴れではありませんでしたが走るには好都合な曇り空のもと、100万人を超える途切れることのない沿道の応援をいただきながら、気持ちよく走ることが出来ました。

35kmの壁はやはり厚く両大腿筋肉の痙攣に見舞われ、目標タイムには到達できませんでしたが、普段では走ることの出来ない大阪の街中を3時間40分 間、本当に気持ちよく駆け抜けました。大阪にちなんだ仮装ランナーも多く見られ、ランナーのみならず沿道の人々を楽しませてくれました。

フルマラソンにおける身体への影響を知る目的に前後で血液検査を行いましたが、筋肉より逸脱するCK(クレアチニンフォスフォキナーゼ)が、前値70 IU/l(国際単位/1リットル)から 6600 IU/lまで上昇しており、骨格筋へ対する衝撃の凄まじさがわかります。走るスピードにもよりますが、やはりある程度トレーニングを積んだものでなければフルマラソンは身体にとってマイナス要因も多いと考えます。

体に最も適する運動強度は「ニコニコペース」です。隣の人と会話できる程度の強さでジョギングあるいは早歩きを定期的に行うことで、良好な心肺機能と転びにくい骨格筋が維持できます。今後自分の運動経験を活かしながら、北野病院心臓センターとして皆様方の健康管理に役立つことが出来ればと職員一同思っております。

皆様、快適な運動習慣で快適な生活を!

●10月22日(金) 阪神の甲子園球場最終戦において5回と6回の間に越山医師の糖尿病に関するコメントが「ライナービジョン」に流されました。YouTubeのhttp://www.youtube.com/user/KITANODIABENDOを参照下さい。

子宮頸がんに加えて子宮体がんにおいてもセンチネルリンパ節生検検査を行えるようになりました。

リンパ節転移とは?

初めにがんができた場所(原発巣)から、身体の他の部分にがんが拡がることを転移といいます。
大きく分けて、血液の流れ、リンパ液の流れの二つのルートでがんは拡がります。

リンパ液の流れの中に出たがん細胞が、リンパ節というところに流れ着いて、そこで増殖した状態をリンパ節転移といいます。

子宮頸がん・体がんは血液の流れに乗るよりも、リンパ液の流れに乗って転移しやすいとされている病気です。

センチネルリンパ節ってなに?

“見張りリンパ節”、”前哨(ぜんしょう)リンパ節”などとも呼ばれています。『がん細胞がリンパ液の流れに乗って最初に到達するリンパ節』のことです。したがって、がんのリンパ節転移は、まず最初にセンチネルリンパ節に起こることになります。

このセンチネルリンパ節を、手術中に調べて転移の有無を診断する、ということによってその手術の方針に大きな影響を与えられます。

センチネルリンパ節検査は乳癌ではすでに臨床的に広く導入されており、子宮頸がんや体がんにおいてもすでにいくつかの研究成果がだされ、有用性が示されてきています。

センチネルリンパ節の考え方を応用した治療とは?

当産婦人科では、子宮頸がんの「センチネルリンパ節」と呼ばれるリンパ節を見つけ出して摘出する研究を行ってまいりました。さらに子宮体がんについての研究もできるようになりました。

センチネルリンパ節は原発巣から初めに流れを受けるリンパ節であるため、これを見付けて詳しく調べることができれば、小さなリンパ節転移も見逃さず摘出することが出来ます。

また、センチネルリンパ節を検査して転移がなければ、他のリンパ節には転移がないと考えられます。将来的にはセンチネルリンパ節に転移が無ければ他のリンパ節は摘出せず、手術による身体の負担を減らすことが出来るようにするのが目標です。

現在の段階では、センチネルリンパ節を検査で確認し詳しく転移の有無を調べますが、従来通りのリンパ節郭清はまだ必要です。しかし、リンパ節郭清の仕方の強弱を調整できるようになりましたし、手術中に、今までは発見できなかった小さな転移を発見することによって、治療方針に大きな影響を与える決定ができるようになっています。

現在この検査を行っているのは、近畿地方では当院だけです。

●糖尿病内分泌センター 運動生理学 外部講師である佐藤 真治先生(大阪産業大学 准教授)が、10月6日(木) TV番組「かんさい情報ネット ten!」(読売テレビ)にて、健康増進を目的に大阪マラソンに挑戦する方の運動指導をする様子が放映されました。

第23回IKESを成功裡に終えました。多くの参加誠に有り難うございました。

●10月1日より、松岡敦子医師が本科後期レジデントとして加わりました(しばらくは健診部兼務)。したがって、常勤8名(部長1、副部長3、後期レジデント4)、非常勤(外来)2名の計医師10名の大所帯となりました。数に奢ることなく、これまでの臨床研究、共同研究に加えて、悲願の基礎研究樹立に向けて努めていきます。

人間ドックでメタボリック症候群と診断された方を対象に、『メタボ克服運動ドック』を始めました。『メタボ克服運動ドック』では、運動負荷試験により適切な運動処方を行い、その後の運動を推奨しています。

●当センターの中山看護師(NP取得)が厚生労働省の特定看護師の業務施行事業に認定されました。
 <詳しくはこちらへ(厚労省HP)>

●このほど中国、北京で行われたAASDに3題発表しました。YouTubeのhttp://www.youtube.com/user/KITANODIABENDOを参照下さい。

  1.  Mori K, Hamamoto Y, Honjo S, Kawasaki Y, Tatuoka H, Fujimoto K, Ikeda H, Nomura K, Wada Y, Koshiyama H. Better glycaemic control with liraglutide than with exenatide in patients with diabetes associated with liver cirrhosis. The 3rd Annunal Meeting of The Asian Association for the Study of Diabetes (AASD) (Beijing, China) 2011.7.23
  2. Shiba M, Fujimoto K, Hamamoto Y, Honjo S, Kawasaki Y, Mori K, Tatsuoka H, Ikeda H, Wada, Y, Kanemaru H, Fujikawa J, Koshiyama H. Does pioglitazone increase bladder cancer risk in Japanese? : Retrospective analysis in one institute. The 3rd Annunal Meeting of The Asian Association for the Study of Diabetes (AASD) (Beijing, China) 2011.7.23
  3. Wada, Y, Hamamoto Y, Kawasaki Y, Honjo S, Mori K, Fujimoto K, Tatsuoka H, Ikeda H, Koshiyama H. Decreased development of intima-media thickness in subjects with type 2 diabetes and past history of gastrectomy. The 3rd Annunal Meeting of The Asian Association for the Study of Diabetes (AASD) (Beijing, China) 2011.7.23

関節リウマチでは、TNF-αやIL-6という炎症に係る分子やT細胞という免疫細胞が、骨破壊に重要な役割を果たします。
近年、これらの分子や細胞をピンポイントに抑える薬(生物製剤といわれています)が開発され、脚光を浴びています。
現在、使用できる生物製剤は、レミケード、ヒュミラ、エンブレル、アクテムラ、オレンシアの5剤です。通常の抗リウマチ薬で症状がコントールできない場合に使用され、有効率は80〜90%と優れています。
早期に使用すれば、将来、治療を中止できる可能性も示唆されています。
しかし一方で、免疫力を低下させ感染症を併発する恐れがあります。
これらの生物製剤の使用にあたっては、まず、専門医にお尋ね下さい。 

当院は、2009年3月より日本感染症学会専門医制度の連携研修施設、2011年3月より認定研修施設として認定されています。感染症専門医試験申請条件として、2010年度より研修施設での研修が必須となっておりますが、当院では日本感染症学会指導医のもとで感染症専門医資格の取得が可能です。

●「統合的ネットワークシステム進化内分泌代謝学INS-EDEN」について:このたび2011年5月に統合的ネットワークシステム進化内分泌代謝学INS-EDEN」と題する新刊を出版しました。これはこれまでの「内分泌代謝学ハンドブック」のプロ版とも言うべきもので、従来の「内分泌代謝学ハンドブック」をアップデートしたものを第一部とし、第二部にはネットワーク学、複雑系、進化学、発生学、再生医学などの現在発展しつつある学問を内分泌代謝学に取り入れ統合を図るという仮説の提唱です。内分泌、糖尿病を専門とするプロの方のご批判を仰ぎたいと思います。またこれらの学問に興味のある内分泌、糖尿病以外を専門とする方、あるいはこれらの学問に興味のある一般の方にも楽しんでいただけるものと思っております。少し価格は高くなりましので、医学生、研修医、内分泌専門医・糖尿病専門医を目指す方には上記の「内分泌代謝学ハンドブック」で十分と思います。 <詳しくはこちらへ>

●河崎医師分担執筆の「血管糖尿病2011」、中山法子看護師分担翻訳の「糖尿病1000年の知恵-私たちが患者さんから学んだこと」(医歯薬出版)、中山法子・神代英子・越井由佳子分担執筆の「JNNスペシャルこれだけは知っておきたい糖尿病」(医学書院)が2011年5月に出版されました。

動脈硬化による変化というと、狭窄性変化ばかりがクローズアップされますが、動脈壁が脆弱になり瘤化する変化もあります。動脈硬化性大動脈疾患の多くを占める大動脈瘤の治療は長い間、外科的な人工血管置換術が唯一の根治的治療でした。

しかし、高齢の患者様が増加し、外科的治療の適応になりにくい方やまた個々人のニーズとして「もっと低侵襲な治療を」という要望が高まってきているのも事実です。近年、大動脈に対する低侵襲治療としてステントグラフト内挿術の出現により臨床現場で大きな変革が訪れています。これは、金属ステントに人工血管素材で被覆した血管内挿型人工血管を用いた経カテーテル的血管内手術です。原理としては、カテーテルシースによってステントグラフトを動脈内に誘導し拡張固定させ瘤内血流を遮断して血栓閉塞を誘発し、瘤内の減圧と血行再建を同時に成し遂げようとするものです。この方法は、従来の手術に比べて出血量の減少、開腹に伴う合併症を予防できる点から低侵襲な治療法であり、リスクの高い患者様や外傷性大動脈損傷患者様にとって特に有益です。日本では2002年度よりステントグラフト内挿術として、保険適用での治療が容認され、使用するステントグラフトについては、2006年腹部大動脈瘤の治療用としてZenith AAA endovascular graft (Cook社製)が承認されました。

2009年3月より、北野病院でも腹部大動脈瘤に対してのステントグラフト内挿術を開始しました。

関心のある方は、毎週木曜日午後 大動脈・末梢血管疾患外来(2診)を受診してください。 (※受付は11:30まで)

図1:両側大腿動脈露出風景
図2:カテーテルインターベンション風景
図3:ステントグラフト準備風景
図4:大動脈ステントグラフト(Zenith)の概観

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