小児科診療に循環器は必須です。先天性心疾患は100人に1人生まれ、川崎病心合併症、不整脈、心筋疾患など後天性心疾患も少なくありません。これら小児心疾患に対する診療を中心とし、他疾患においてはその血行動態の把握・呼吸循環の管理に、小児循環器専門医が常勤して小児科循環器部門の診療にあたっています。
外来診療は、小児循環器外来(火曜日午後、金曜日午前・午後)、胎児心エコー外来(火曜日・金曜日9時から2枠、ただし小児循環器外来でも常時胎児心エコーは可能です)、心臓学校検診外来(火曜日午前10時から4枠、大阪市三次検診施設として)を行っています。対象に制限はなく、器質的心疾患から心雑音など心疾患疑い例まで広く対応しています。なお日本胎児心臓病学会の専門施設に認定されており、胎児心エコー外来で心疾患が確認された場合は、胎児期からご家族への説明を十分に行なった上で、産婦人科およびNICUと連携して妊娠継続、出産、出生直後からの新生児診療を一連のものとして行っています。平成29年度(平成28年度・平成27年度)の実績は、外来患者数は1,157例(1,273例・1,046例)、外来胎児心エコーは85例(87例・59例)、外来小児心エコーは1,157例(1,273例・1,046例)でした。
入院診療は、NICUで新生児心疾患の診療、HCUで高度集中治療、心臓センターで成人先天性心疾患の診療が可能です。心臓カテーテル検査およびインターベンションは月曜日に行っています。心臓センターと連携して川崎病性冠動脈障害に対するカテーテルインターベンション、不整脈に対するカテーテルアブレーション、遺伝性致死性不整脈の診断、RI、CT、MRIなど各種画像診断を行っています。また慢性心疾患に合併した感染症や一般小児科診療を併診し、小児外科・麻酔科と連携して小児外科疾患診療や周術期管理も行っています。平成29年度(平成28年度・平成27年度)の実績は、入院患者数は78例(73例・56例)、心臓カテーテル検査は31例(28例・30例)、うちカテーテル治療は2例(2例・3例)でした。
小児心臓手術に関しては、当科において術前の診療および心臓カテーテル検査を含む諸検査を行ない連携病院(心臓専門施設)の外科カンファレンスに提示して方針を決定し、手術を含めた周術期を連携病院にお願いし、術後早期に帰院して頂きその後の診療は当科が行なう診療システムを構築しています。平成29年度(平成28年度・平成27年度)の実績は、当科心カテ後手術症例は5例(9例・8例)でした。心カテ未施行例と合わせて年間の小児心臓手術症例は10~15例です。
以上のように、小児にとどまらず胎児から成人まで広い範囲の心疾患の診療を行っています。