公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

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内分泌・代謝性疾患

内分泌・代謝性疾患

小児内分泌専門外来では、こどものホルモンの異常により起こる病気について幅広く診療を行っております。以下のようなことでお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

当院の治療方針

成長障害

背が伸びない、体重が増えないことを成長障害といいます。原因は様々で、栄養の問題、成長ホルモンの分泌低下、骨の病気、SGA(妊娠中に赤ちゃんが充分に成長できず小さく生まれること)の影響、染色体や遺伝子の異常などがあります。受診の際には、母子手帳、成長の記録をご持参ください。一部の病気(成長ホルモン分泌不全性低身長・SGA性低身長・軟骨無形成症・ターナー症候群・プラダーウィリー症候群・ヌーナン症候群)については成長ホルモン療法を行っています。

甲状腺ホルモンの異常

首の前中央の部分にある甲状腺が腫れている場合は、甲状腺の病気の可能性があります。橋本病・バセドウ病といった甲状腺の病気について、血液検査や甲状腺エコーの検査で詳しく調べる必要があるかもしれませんのでご相談ください。また、先天性代謝異常検査(新生児マススクリーニング検査)で先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の疑いを指摘された場合も、内服治療が必要な場合がありますのでご相談ください。

糖代謝異常

高血糖や尿糖陽性を指摘された場合、多飲多尿の症状がある場合、糖尿病かもしれません。インスリンの治療が必要になる場合もあります。1型糖尿病では、カーボカウントを導入したインスリン治療を行っています。また、低血糖を繰り返す場合には、発達への影響を及ぼすことがありうるので、原因について精査を行い低血糖の予防が必要になります。

下垂体・視床下部の異常

脳下垂体の病気、脳腫瘍治療後の影響により、脳下垂体から分泌される複数のホルモンが低下してしまい、汎下垂体機能低下症を合併することがあります。その場合は必要に応じてホルモンの補充療法を行います。

思春期の異常

まわりの同い年のお子さんと比べて、思春期が極端に早く発来する場合、思春期早発症かもしれません。二次性徴が幼い年齢で生じると、こどもは心理的・社会的に困惑しますし、最終的に低身長になってしまう可能性があります。血液検査で性腺ホルモンの状態を調べ、手のレントゲン、頭部MRI、腹部エコーなどの検査を行います。必要な場合は、性腺抑制療法を行います。逆に、いつまでも二次性徴が現れない、初潮がなかなか来ない場合は、性腺機能低下症かもしれません。性腺ホルモンの補充が必要になることがあります。

副腎疾患

副腎とは腎臓の上部にある臓器であり、生命維持に大切なステロイドホルモンを産生しています。副腎ホルモンの分泌の異常を生じる病気として、副腎皮質機能低下症・先天性副腎過形成症・クッシング症候群などがあり、適切な治療が必要です。

カルシウム・ビタミンD代謝異常

血液中のカルシウムが不足すると手指がしびれたり痙攣を起こしたり不整脈を生じることがあります。血液中のカルシウムを調節する副甲状腺ホルモンやビタミンDの欠乏や作用不足があるかもしれません。原因を調べて、内服あるいは点滴治療によりカルシウムの値を補正します。

水・電解質代謝異常

体のなかの水分や塩分のバランスが崩れる病気として尿崩症があります。大量頻回に排尿するので、のどが渇いて多飲となります。遺伝子異常により生じる場合と脳腫瘍が原因の場合があり、原因に応じて適切な治療が必要です。

骨の病気

脚のO脚あるいはX脚が強い、骨が折れやすい、手足が短く低身長がある場合、骨の病気かもしれません。レントゲンや血液検査で、くる病・骨形成不全症・骨粗鬆症・軟骨無形成症などの骨の病気を調べます。

肥満症

こどもの肥満症、メタボリック症候群が増加傾向にあります。食事と運動が治療の基本となります。適切な摂取カロリーについて栄養指導を行い、脂肪肝、高脂血症、糖尿病、高血圧などの合併症について検査をします。