肩関節外科
当院では肩関節の様々な疾患(病気)、外傷(怪我)に対して治療を行なっております。肩関節の診断は比較的難しいとされていますが、エコーは診断の精度、速度を上げるために非常に有用です。当院の外来診察室にはエコーを常備しており、その場で検査を行える環境を整えています。
治療としては手術をしない保存的治療を第一に考えています。患者様によってはエコーを見ながら、特定の部位を狙った注射を行うことにより痛みが大きく改善する場合もあります。しかし、肩関節の痛みは長期に続くことも多く、その原因によっては手術が必要となることも少なからずあります。手術としてはまず体にかかる負担の少ない内視鏡(高画質4Kモニターで表示した関節鏡)手術を第一選択としますが、疾患や症状、年齢などによっては内視鏡を用いないで直視下に行う人工肩関節置換術(リバース型人工肩関節置換術を含む)や人工骨頭置換術を行う場合もあります。
当院で手術を行っている主な疾患
内視鏡手術 |
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直視下手術 (人工関節置換術、人工骨頭置換術) |
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内視鏡手術
鏡視下腱板修復術
腱板は肩のインナーマッスルで、断裂すると、肩を動かす時の痛みの原因となり、断裂が大きい場合は肩を上げることができなくなったり力が入らなくなったりします。保存的治療で症状が良くなることも多いですが、引っかかりによる痛みが取れない場合や、断裂が大きい場合には手術が必要となることがあります。手術では主に、内視鏡(関節鏡)を用いて、断裂した腱板の断端をアンカーという糸のついたインプラントを使って上腕骨に再度固定する処置を行います。
鏡視下関節唇修復術
関節唇は関節を支える重要な組織ですが、損傷すると痛みの原因となります。また部位によっては剥がれると肩関節脱臼・亜脱臼を繰り返す原因となります。
脱臼・亜脱臼を繰り返す場合や、リハビリなどの保存的治療で痛みが取れない場合は手術が必要となります。手術では内視鏡を用いて、損傷した関節唇をアンカーで固定する処置を行います。
直視下手術
人工肩関節置換術
変形性肩関節症は進行すると強い痛みの原因となります。特に腱板断裂に伴う変形性肩関節症は、進行すると腕を上げることも困難となり、日常生活の支障となることも多いです。腱板断裂を伴う変形性肩関節症に対しての人工関節は、リバース型人工肩関節という特殊な人工肩関節になります。現時点ではリバース型人工肩関節置換術は、肩関節の手術治療を多数経験した医師のみが行うことができると定められています。その規定に則り、当院では認定を受けた肩関節専門医がリバース型人工肩関節置換術を行っております。
肩関節外科 担当医師
- 佐治 隆彦