大正14年に創立されました田附興風会医学研究所は、これまで北野病院での診療などに基づいた臨床研究および基礎的研究を両輪として医学の発展に寄与してきました。その研究成果は、例えば脊髄再生や鼓膜再生など先進的な医療にも応用されつつあります。これらの研究を長年に亘って支えてきたのが、京都大学との密接な人的交流や幅広い分野での連携です。今後とも、職員一人一人が、医療者としてだけでなく、科学者としての視線を忘れずに、医学の進歩に貢献して参りたいと思います。
当研究所は、8部の研究部と北野カデットセンター、運営企画室から成り立っております。当研究所の強みは、なんと言っても研究所の附属病院として大阪でもトップクラスの陣容を誇る北野病院を有していることです。北野病院の各診療科や各部署とも密接な関係を持ち、非常に豊富な臨床症例に基づく臨床研究が数多く行われております。
基礎研究に関しては、臨床経験などから得られた新たな発想や仮説を検証・発展させるべく、新館研究所を中心に動物実験や遺伝子研究などが日夜行われております。渡邊武九州大学名誉教授を特任研究指導者として迎え、若手研究者の育成にも力を入れております。研究に不可欠なリアルタイムPCR、フローサイトメーター、バイオプレックス、コンフォーカル顕微鏡、バーチャルスライド装置などの機器類も充実しています。
当研究所では、平成28年度より組織体制を整備し、研究者が研究に打ち込める支援体制を構築しております。医学研究所は以下の業務を担当しています。
当研究所は、「研究活動における不正行為は真実の探求を積み重ね、新たな知を創造していく営みである科学の本質に反するものであり、人々の科学への信頼を揺るがし、科学の発展を妨げ、冒涜(ぼうとく)するものであって、許すことのできないものである」との認識に立ち、以下の規程を定め、厳正な態度で臨んでいます。
公益財団法人 田附興風会 医学研究所
医学研究所 運営企画室
当院では、臨床検査・診断のために採取した血液・尿・生検組織などの検体の一部を保存しておき、職務上及び法律上の守秘義務(個人情報・検査結果等)を厳しく守りつつ、研究・教育等に使用させていただく場合があります。
研究成果を学会や論文などの紙上で発表する場合には、お一人お一人を匿名にし、個人情報は公開されません。
検査に用いた検体を、ゲノム・遺伝子解析研究に使用させていただく場合には、前もって、当院の副院長、関係部長ならびに弁護士によって構成される「医の倫理委員会」の審査・承認、および病院長の許可を受けます。
これらの点について、ご同意いただけない場合は、遠慮無く担当医にお申し出下さい。