広い視野から医学と 生物学の密接な交流をはかり、その研究環境を充実して21世紀を担う若い研究者を育成する。このような目的で、1992年8月、医生物学フォーラムが京都で発足しました。1994年からは財団法人田附興風会医学研究所が参画することになり、皆様方のご賛同をえて順調に回を重ねてまいりました。
遺伝子組換え技術の開発が診断、治療を始めとする医学のあらゆる分野に近代化をもたらしたように、医学は生物学をその存在の基盤とし、バイオテクノロジーの進歩にその発展を支えられています。医生物学フォーラムは、このような医学と生物学の接点を積極的に拡大しようとする新しい試みです。
ご理解とご支援をお願い申しあげます。
近年の医学と生物学における情報量の爆発的な増大と技術の急速な発展は、経験的な技術の応用であった従来の医療を本質的に変革しつつある。医学のどの分野でもその基礎は生物学に支えられていることは明らかであり、同時に生物学でも医学の要請に堪える方向の研究に感心が集まっている。
わが国においても多くの研究者が各分野で努力しているが、現在の科学研究費の伸びは未だ期待に届かず、特に研究環境の貧困はしばしば指摘されるとおりである。さらに憂慮されるのは研究体制の硬直化であり、医学・生物学の多くの優秀な若い研究者が、研究生活の最も重要な時期に中断を強いられ、学問の発展の大きな障害となっている。
我々は、<医生物学フォーラム>という研究と討論の場を介して、関連諸分野の若い研究者の交流と優れた人材の発掘・育成に努めると共に積極的な活動を通じて社会の共感を求め、次の世代の研究者の育成・支援のため将来は基金を設立したいと念願しております。
発起人一同(1993年12月23日) | |
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畑中 正一 | 京都大学ウイルス研究所・ヒトがん・教授・所長 |
内山 卓 | 京都大学ウイルス研究所・エイズ免疫・教授 |
北 徹 | 京都大学医学部老年科・教授 |
淀井 淳司 | 京都大学ウイルス研究所・生体応答・教授 |
高月 清 | 前熊本大学第二内科教授 |
世話人(医生物学フォーラム) | |||
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高月 清(代表) | 本庶 佑 | 畑中 正一 | 淀井 淳司 |
(財団法人田附興風会 医学研究所) | |
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理事長・医学研究所長 | 光山 正雄 |
所長代理・北野病院長 | 内山 卓 |
副所長・北野病院 | 武曾 惠理 |
医学研究所事務部長 | 諏訪 健二 |
医生物学フォーラム委員 | 今井 輝国、小中 義照 |
顧 問 | |
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井村 裕夫 | 前京大総長 |
黒川 清 | 東大教授 |
人見 滋樹 | 京大教授 |
翠川 修 | 京大名誉教授 |