公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

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副所長武曾恵理のご挨拶 (平成24年)

ご挨拶

副所長武曾恵理のご挨拶 (平成24年)

医学研究所としての北野病院
―医療研究活動のさらなる広がりと高まりを目指すー

公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院は、医療の本分である患者さんと向き合う臨床医学を土台として、その病態を明確にしつつ、未解決分野への取り組み、さらに新規治療の開発をめざした研究所病院です。大正14年(1924年)にこの理念のもとに研究所が設立され、その3年後に研究を支える臨床病院としての北野病院が発足した歴史がこれを裏付けております。 すなわち、ここで行われる医療行為はすべからく研究行為であり、このことは、先ごろ最高裁における判決でも明確化されました。 また、これらは京都大学医学研究科との連携を基本としており、多くの人的交流を果たしつつ、臨床、基礎研究の成果を我が国のみならず、世界に向かって発信しつつあります。 

このように、研究の視点をもちつつ臨床をおこなう北野病院は、地域に根差す救急医療も担う基幹病院として、その医療レベルに対する厳しい矜持を保ちつつ、果敢に病気の原点に迫り、新たな治療法開拓と検証の可能性に挑戦していくことが求められています。このたびの公益財団法人認証で、藤井信吾理事長が、病院および研究所の長を兼ねることとなり、新たな責任体制で研究所活動も刷新されましたので、ご報告いたします。

2010年10月に、従来の研究5部門から、10部門のテーマ別分野と治験センターの11部門の研究組織に改組しましたが、今回、多くの医療情報の研究に向けたデータ処理を専門とする第11研究部(医療情報部)をさらに創設し、研究部門でもますます情報が豊かになる一方、その取り扱いや有効利用には課題も山積しておりこの部門に特化して対応することとなり、文部科学省への報告をいたしました。このような部門の増加と研究発表への集中を目指して、毎月開催されていました研究所セミナーは2012年9月より隔月に2部門ずつ共同で開催することとしました。多くの方々のご参加を頂き、忌憚ない議論を展開することで、さらなる切磋琢磨が期待されます。

一方で、臨床研究のあり方に対する、一般市民の方がたの興味や理解も進む一方、厳しくそのモラルが問われています。これらに対し、あらたなヘルシンキ宣言(2008年10月更新)の遵守は当然として、本研究所内外からの委員を交えた倫理委員会による適正な諮問を受けつつ、また京都大学探索研究センターとの連携も保ちながら、厳正にかつ粛々と目標とする研究を遂行することとしています。また、すべての研究活動(症例報告を含む)は実施申請書の倫理委員会への提出を義務付けており、今後その徹底を図るところです。

これらの研究体制の維持には、研究インフラの整備が欠かせないところで、研究所運営委員会の各分科会の充実を行い(ラボ整備、研究立案支援、データ管理、連携大学院推進に加え研究資料整備担当を追加)、研究環境の整備を行ってきましたが、昨年から研究事業専従の支援部門(研究補佐員、事務総括担当者)がもうけられ、今後は研究実質支援部門の充実をはかるべく京都大学医学部を交えた議論を進めております。しかし実際の研究を行うのは各部門に属する研究員自身であり、それぞれの研究活動を充実させるため、どのようにこの研究所病院を運営するかについては、各部門代表からなる研究所運営委員会が担っていくことであり、そのさらなる活性化を目指しているところです。

当然のことながら、これらの研究には経済的支援が必要で、文部科学省や厚生労働省からの公的な研究補助金や、民間からの研究アオードなどは、研究成果を上げつつ獲得を目指しています。しかし、すべての研究者にまんべんなく潤沢な研究費があるわけではなく、そのために志が遂げられない研究者を少しでも支援するべく、2011年度より、「きたの研究奨学金」制度を立ち上げ、基礎、臨床研究の医師部門、若手医師部門、看護師部門、コメディカル部門に分けて、広く研究計画の応募を募り、厳正に審査を行って、北野発のオリジナル研究計画に対して、研究資金の補助をすることを開始致しました。2012年7月には、第3回目となる獲得者の表彰が行われ、充実した奨学金制度となりつつあります。

これらの研究を支える資金のもととして、従来から幸いにも患者様をはじめ、篤志を示していただける有志の方が少なからずおられ、研究寄付金をいただけているところで感謝申し上げる次第ですが、今後ますます自主研究などの資金調達は厳しいものがあり、さらなる関係各位のご理解、ご支援をお願いするところです。

今後とも国際的な学際研究を含む研究所内外での共同研究をさらに推進して、真に医療界に貢献する臨床に根ざした研究成果を上げることを当研究所の使命と考え、またそのことが、当研究所病院で働くすべての就労者の自己実現となることを目指して、研究所長を先頭にまい進する覚悟です。 すべての研究所員には益々の積極的な研究参画を期待します。
関係各位におかれましては、今後とも、この研究所の活動に、厳しくも温かいご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

医学研究所 副所長  武曾 恵理
(平成24年9月)