胎児期におなかの中に袋状の病変が見つかることがあります。病変の大きさや、性状によりおおよその診断を付けることはできますが、正確な診断は出生後になることもあります。病気によっては出生前から産科、新生児科、小児外科で治療計画を立てる必要があります。
母親のホルモンの影響を受けて卵巣内に水がたまり大きく膨らむものです。状況によっては出生後に手術が必要となります。
胆管が袋状に拡張する病態です。その中には先天性胆道拡張症と胆道閉鎖症の一部が含まれます。胆道閉鎖症であれば生後早期の手術が必要です。
本来の腸とは違う場所に腸の組織が袋状に存在している疾患です。どこかの時期に手術が必要となります。
胎児期に何らかの原因により腸に穴が開いて、腸内容がおなかの中に袋状にたまっている状態です。生後早期に手術を含めた治療が必要となります。
腹腔内に袋状に拡張したリンパ管が存在するリンパ管の奇形です。
尿管の一部に通過が悪い部分があり、その上流の尿管が袋状に拡張します。よく見るのは先天性の水腎症です。生後から治療が必要なことがあります。
直腸肛門や泌尿器系の奇形により、臓器が袋状に拡張する疾患があります(総排泄空遺残症など)。生後すぐに治療が必要です。
*胎児期におなかの中に袋状の病変を造る疾患には多彩なものがあります。中には生後すぐから治療に入る必要がある疾患もあり、出生前から治療計画を立てる必要があります。ご相談ください。