公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

ヒルシュスプルング病

ヒルシュスプルング病とは?

通常、腸には腸を動かす神経が分布しています。しかし、先天的にその神経が欠損し ていることがあり、その場合、腸の動きが悪くなることがあります。一般的には肛門近 くの大腸の場合が多いですが、神経の欠損した腸管の範囲は患者さんそれぞれで違いま す。多くの症例は、便秘や腹部膨満、嘔吐といった症状で見つかることが多いです。

検査は?

検査は、注腸検査と言って肛門からレントゲ ンに写る液体(造影剤)を入れて腸の形を調べ ます。ヒルシュスプルング病が疑われる場合は、 病変部分の腸が細く、正常の腸との太さに差が 見られます。 注腸検査でヒルシュスプルング病が疑われれ ば、肛門から直腸の壁を少し取って、顕微鏡で神経の異常を調べます。神経の異常が見られれば診断が確定します。

腸管の拡張が著明

治療は?

ヒルシュスプルング病は手術が必要な病気で す。動きの悪い腸を切除して、正常な腸を肛門 につなげる手術を行う必要があります。多くの 場合、手術は腹腔鏡手術で行いますので、傷は小さいです。

この部分が細い (病変腸管)

長期的には?

手術後、問題なく排便が出来るようになる患者さんもおられますが、なかには便秘 傾向になったり、逆に下痢気味になったりする患者さんもおられます。ヒルシュスプ ルング病の手術後は、長期にわたり排便の問題が残る可能性があり、外来で見ていく 必要があります。