公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

腹壁破裂

腹壁破裂ふくへきはれつとは?

先天的に腹壁に欠損部があり腸が体外で飛び出ている疾患です。通常はおへその横に欠損部があります。元々おなかの容積が小さいのと、腸がむくんでいるのですぐには戻せません。胎児診断されることが多く、出生前から産科、新生児科、小児外科で治療計画を立てる必要があります。

先天的に腸が飛び出ています

先天的に腸が飛び出ています

治療は?

すぐには戻せませんので、飛び出した腸を袋に入れ、少しずつおなかに戻していきます。その間は、NICUで鎮静、人工呼吸の管理が必要となります。​

通常、1週間以内に腸はおなかに収まりますので、そのあと袋を取り欠損部を閉鎖します。閉鎖の方法にはいろいろあります。​

腹壁が閉鎖でき、腸管に問題がなければ徐々にミルクを開始していきます。

腸を袋に収めます

腸を袋に収めます

少しずつ腸を戻していきます

少しずつ腸を戻していきます


予後は?

腸管に大きな問題がなければ、問題なく発育されます。出生時の見た目は重篤ですが、治療がうまくいけば元気に育つことが十分に可能な疾患です。

生後半年のおなか

生後半年のおなか