先天的に横隔膜に孔が空いていて、胎児期からおなかの臓器が胸の中に入り込んでいる疾患です。胸の中にお なかの臓器があるので、肺が大きく発達できません。胎児期は臍帯(へそのお)から酸素をもらっているので問 題はありませんが、出生後は自分の肺で呼吸をする必要が出てきます。その為、生後すぐから呼吸の問題が出現 します。程度によっては生命にかかわる疾患です。
胎児期に診断がついている場合は、産科、新生児科、小児外科合同で計画的に治療を進める必要があります。 まず生後NICUで呼吸や循環の管理を行います。全身状態が少し落ち着いたら手術で胸に上がったおなかの臓器を戻し、横隔膜の孔を閉鎖します。横隔膜の孔が小さい場合は、傷の小さな胸腔鏡手術を行うことも可能です。
一般的に手術後もしばらくはNICUで人工呼吸の管理が必要となることが多いです。 肺が膨らんで、赤ちゃん自身の呼吸でいけそうなら人工呼吸器が外せます。