公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

胆道閉鎖症

胆道閉鎖症たんどうへいさしょうとは​

胆道閉鎖症は、何らかの原因で胆管が線維性に閉塞し肝臓で作られた胆汁が流れなくなる病気です。胆汁が流れないために肝臓が障害され肝硬変になっていきます。新生児期から乳児期に便の色が白くなる、体が黄色くなる(黄疸)事で見つかります。手術で胆汁の流れを改善させる必要があります。手術で黄疸が消失しない場合や、黄疸が消失しても肝臓の状態がよくない場合は肝移植が必要となることがあります。早く手術した方が成功率が高くなることがわかっており、早期に発見し治療を行うことが大切です。

母子手帳にある便色カードと実際の便の色を比べて、便の色が白いと感じたら早めに病院を受診してください。​


検査は?​

一般的に血液検査、エコーになります。これらの検査で胆道閉鎖症を確実に否定できないときは、手術(試験開腹術)で実際に肝臓や胆管を調べ最終的な診断をくだします。

早期手術が非常に大事になりますので、手術時期を遅らせることはお勧めできません。​

正常の肝臓

正常の肝臓

胆道閉鎖症の肝臓​

胆道閉鎖症の肝臓​

手術時の胆道造影検査

手術時の胆道造影検査


治療は?​​

胆道閉鎖症は手術が必要です。手術で線維性に閉塞した肝外胆管と胆嚢を切除します。肝臓側の断端に小腸をつなげ、肝臓から染み出てくる胆汁を腸管に流すように再建をします。多くの場合、胆汁の分泌をよくする目的で術後にステロイドを使用します。​​

治療成績は?​​​

手術により60%~70%の患者さんで胆汁が流れるようになり、黄疸が消失します(早期手術の方が成功率は高くなります)。しかし胆汁が流れず黄疸が消失しない場合、早期に肝移植が必要になります。

黄疸が消失した場合も、胆管炎を繰り返したり、肝硬変から食道静脈瘤やそのほかの問題を発症することがあります。また成人になってから肝臓の状態が悪くなり肝移植が必要となる患者さんもおられ、一生フォローしていく必要があります。​​​