虫垂は大腸の始まりである盲腸から伸びる小さい突起です.この部位に炎症をきたすことがあり,この状態を虫垂炎といいます.
炎症の強度により虫垂炎の重症度は大きく変わるため,身体所見や超音波検査・CTなどの所見を総合的に診て行くことが必要で,治療も進行度により変わります.
虫垂炎に対する治療は大きく分けて,抗菌薬による治療と手術治療があります.多くの場合,これらを組み合わせて治療を行います.
手術は傷の小さな腹腔鏡で行うことが基本です.虫垂の炎症の程度や位置により、傷の数や位置が患者さんごとに違います.また稀ですが,虫垂炎の炎症が進むと腹腔内で臓器同士の癒着が起こり,腹腔鏡手術で行うのが困難な場合もあります.その場合は開腹手術になることもあります.
当院では合併症が起こらないように,様々な対策を取りながら手術と周術期管理を行っていますが,合併症を避けられない場合があり,その際は追加の治療が必要となることがあります.合併症は虫垂炎の重症度が増すほどに多くなるため,速やかに診断・治療を行っていくことが重要です.
出血 ・ 感染(創部・腹腔内) ・ 副損傷(血管 ・ 腸管 ・ 膀胱 ・ 尿管 ・ 肝臓 ・ 生殖器 ・ その他腹腔内臓器)
術後癒着性腸閉塞 ・ 臍形態変化