公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

内視鏡検査・治療

早期胃がん・大腸がんの内視鏡検査・治療とは?

内視鏡検査とは、先端に小型カメラ (CCD)またはレンズを内蔵した太さ1cm程度の細長い管を、口や鼻、あるいは肛門より挿入し、食道、胃、十二指腸や大腸の内部を観察する検査です。検査中にがんを早期発見できれば、お腹を切らずに胃カメラや大腸カメラだけでがんを取り除くことができます。日本消化器内視鏡学会指導施設である当院の内視鏡室では、年間で1万3,000件程度(2023年実績)の消化管および胆道・膵臓に対する内視鏡検査・治療を行っています。

当院で内視鏡検査をご希望される際の紹介ルート

参照:診療・検査予約(医療機関向け)

内視鏡検査・診断を受けるにあたって


胃カメラ(上部内視鏡検査)
大腸カメラ(下部内視鏡検査)
事前準備 当日朝から絶食
当日朝から絶食+下剤を飲んで腸内を空にする必要あり
挿入口
口から(より鮮明な画像が撮影可能)
鼻から(細いカメラでオエッとなりにくい)
お尻から
検査時間
5~10分(目安)
30分(目安)
見える場所
のど、食道、胃、十二指腸
大腸
検査すべき症状
みぞおちの痛み、貧血、食欲不振、バリウム検査異常など
検診異常(便潜血陽性)、便秘、下痢、出血、貧血など
対象疾患
胃がん、胃潰瘍、逆流性食道炎など
大腸がん、大腸ポリープ、腸炎など

※患者さんの状態により所要時間などは変わります。

検査前の安心体制

当院の検査室は5室体制で運営しています。患者さんにとって初めての検査は不安が大きいものですが、のどや鼻腔にあらかじめ麻酔を行うことで苦痛を軽減でき、検査の予約の際に鎮静剤の使用も希望していただければ、点滴から鎮静剤を入れて、うとうとと眠っている間に検査や治療をすることもできます。スタッフ一同、検査中には患者さんの背中をさすり声をかけるなど、些細なことですが不安を最小限に抑えることを心がけています。検査前に不安に思うことは、気兼ねなく看護師にご質問ください。

内視鏡による治療

当院では、胃カメラや大腸カメラに使う内視鏡の先端から電気メスや特殊な器具を用いて、のど・食道・胃・大腸などにできた早期のがんを切除する「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」を行っています。ESDは、技術的な難易度は高いものの、従来はお腹を切って手術をしなければならなかったようながんも、転移のない早期がんであれば電気メスを駆使することで内視鏡で取り切れるようになりました。がんは、早期であれば根治可能な場合が多いので早く見つけるためにも、定期的に内視鏡で検査されることをおすすめします。

内視鏡システム

当院では、多くの患者さんに対応できるよう、たくさんの内視鏡機器を用意しています。現在の内視鏡システムは4K 対応で以前に比べて格段に視認性が良くなり、ごく初期の病変の発見につながっています。胃カメラについてはメーカーに別注したオリジナルの機器を備え、難易度の高い治療にも対応しています。

リカバリー室(回復室)

検査・治療後のリカバリーベッドは、現在8床用意しています。検査終了後は鎮静剤の効果が切れるまで30 分ほどリクライニングチェアでゆっくりと休んでいただきます。

よくある質問

Q.内視鏡の診断・治療に年齢制限はありますか?

A.当院の場合、年齢ではなく患者さんの全身状態で判断しています。ご高齢の方であっても全身状態がよければ診断・治療を受けていただいています。

※参照
患者さん向け広報誌「きたの広報vol .8」