当院では予防医学の重要性に早くから注目し、昭和29年に人間ドックを開設して以来、長年に渡り、人間ドックを行ってきました。
人間ドックの目的は、以下の2つです。
< 人間ドックの目的 >
一次予防
近い将来、病気を引き起こすと考えられる生活習慣の問題点や異常を明らかにし、これを改めて病気の予防をする。
二次予防
自分で気付かないうちに持っている病気があるとしたら、それを早く見つけて治療する。
この2つの目的を達成するために、人間ドックでは、職場の定期健診や住民健診などより多くの検査や診察が行われ、さらに、結果の説明だけでなく生活指導が行われます。
当人間ドックでは、日帰りコースの場合、受診日当日に医師による検査結果の説明と、二次検査あるいは各診療科受診の指示、さらに、看護師・保健師による生活指導を行っています。 また、ドックで発見された異常はできる限り早期に対応が出来るように取り計らっています。
検査
診察
ただし、そんな人間ドックも万能ではありません。
人間ドックは一般的に、症状が出にくくて放置しやすい、それでいて誰もがかかる病気を予防したり早期発見するように設計されています。すでに治療中の病気についての相談や、あるいは自覚症状があって具合が悪くて困っている人の病気の診断や治療については、人間ドックは適していません。明らかに自覚症状のある人は、適切な診療科を外来患者として受診して診てもらうほうが間違いもありませんし効率的です。
異常の発見には、それまでの受診者の生活習慣や健康状態を把握しておくことが重要です。そのためには、なるべく同一の施設で定期的に受診することが望ましいです。今まで他の健診機関を受診されていた場合は、それまでの健診結果をお持ち下さい。
人間ドックでは普段の生活をしている際の体の中の様子を見る必要があります。人間ドックの前だからといって、普段とは異なった「模範的な」生活をして健診結果を得たとしてもその結果は日常生活には参考になりません。また、検査の中には体に負担になるものもありますので、人間ドックで休養できるからと前日に無理な残業などをしたりしない様にしてください。体調が悪いときは人間ドックの受診は見合わせることをお勧めします。
人間ドックは適切な指導を受けて初めて健康に役立ちます。結果の説明、指導は是非受けましょう。