公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

膵がんオプション

検査概要

検査名 膵がんオプション
日帰りドック、1泊ドックのオプション検査として実施します。単独の検査としては実施しません。
実施曜日 毎週月曜日・水曜日
料金 40,700円(税込)
注意点
  • 日帰りドックのオプションの場合、時間の都合上他のオプション(肺オプションなど)は追加できません。
  • 1泊ドックのオプションの場合、脳オプションを追加できません。
  • MRCPで経口造影剤を飲むため、胃透視を選択できません。
  • MRCPはMRIですので、マグネットネイルジェルネイルはドック当日までに取っていただく必要があります。
  • 体内にペースメーカーが入っている場合、対応できません。

検査の流れ(例)

  1. 胸部レントゲン
    検査の最初に胸部レントゲン撮影を行います。
  2. 問診・医師の診察
    問診票に基づき、医師による診察を受けていただきます。
  3. 身体測定・採血
    腫瘍マーカー(APOA2蛋白、SPAN-1、CA19-9)を含む採血を行います。
  4. 眼科・聴力検査、心電図検査
    視力や眼底の検査と聴力検査、心電図検査などを実施します。
  5. 腹部エコー
    腹部超音波検査を行います。
  6. MRCP
    経口造影剤(ボースデル)を服用し、MRI装置による膵管・胆管の撮影を行います。
  7. 胃検査
    胃部の検査(胃カメラ)を実施します。
  8. 昼食
    検査終了後昼食をとっていただきます。
  9. 結果説明
    当日判明する検査結果について説明を行います。MRCP、APOA2蛋白の結果は後日となり、結果通知書を郵送する際にご報告します。

※検査の順序は当日の状況により変更になる場合があります。

大腸オプションとの併施の場合は、MRCPの後に下剤の服用を開始し、大腸検査を行います。

MRCP検査

MRCPは膵がんの早期発見に有用な検査方法であり、本オプションの中核をなす検査です。腫瘍マーカー検査と組み合わせることで、より精度の高いスクリーニングが可能です。

MRCP(磁気共鳴胆管膵管撮影)とは

MRCPは磁気共鳴胆管膵管撮影(Magnetic Resonance Cholangiopancreatography)の略称で、MRI装置を用いて膵管や胆管を非侵襲的に撮影する検査方法です。造影剤を使用することで、膵管や胆管の狭窄、拡張、腫瘍による圧迫などの異常を詳細に観察することができます。

本検査では経口造影剤(ボースデル)を服用していただき、腹部のMRI撮影を行います。放射線被曝がなく、比較的短時間で終了する検査です。

検査の意義

膵がんは早期発見が難しいがんの一つとされていますが、MRCPによって膵管の異常を早期に発見できる可能性が高まります。膵がんが存在すると、膵管の狭窄や閉塞、拡張などの変化が生じることがあり、これらの変化をMRCPで捉えることができます。

腫瘍マーカー検査

以下のの腫瘍マーカー検査は、MRCPによる画像診断と組み合わせることで、膵がんの早期発見率を向上させることが期待されています。各マーカーには特性があり、複数のマーカーを組み合わせることで、より精度の高いスクリーニングが可能となります。

APOA2蛋白

APOA2蛋白は膵がんの早期発見に有用なバイオマーカーとして注目されています。通常の採血と同時に実施しますが、この検査は外部委託となるため、結果判明まで5〜7日程度を要します。

膵がんの存在により血中濃度が変化するため、早期膵がんのスクリーニングに有効とされています。

SPAN-1

SPAN-1は膵がんに関連する腫瘍マーカーです。膵がん細胞から産生される糖鎖抗原で、膵がんの存在により血中濃度が上昇します。

他の腫瘍マーカーと組み合わせることで、診断精度が向上します。通常の採血と同時に実施します。

CA19-9

CA19-9は膵がんの診断に最も広く用いられている腫瘍マーカーです。膵がんの存在により血中濃度が上昇することが知られています。

ただし、良性疾患でも上昇することがあるため、他の検査結果と合わせて総合的に判断します。通常の採血と同時に実施します。

検査結果について

消化器内科の専門医がMRCP画像および腫瘍マーカーの結果を評価し判定を行います。

検査結果に異常所見が認められた場合は、必要に応じて消化器内科への受診をご案内します。