公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

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新しいリウマチ薬の「功罪」

関節リウマチ(RA)ではTNF-αやIL-6という炎症に係る分子が骨破壊に重要な役割を果たします。
これらの分子の作用をピンポイントに抑える薬が開発され、新しいリウマチ薬として脚光を浴びています。
現在使用されている抗TNF-α製剤としては坑TNF-αキメラ抗体であるインフリキシマブ(商品名:レミケード)、そのヒト型抗体であるアダリムマブ(商品名:ヒューミラ)とTNFの受容体製剤であるエタネルセプト(商品名エンブレル)があります。
また、抗IL-6製剤としては、トシリズマブ(商品名:アクテムラ)が平成20年度より使用可能となりました。
通常の抗リウマチ薬でコントールできないRA患者様に対してこれらの新薬が使用され、有効率80%から90%と優れた効果があります。
現在では、これらの製剤をより早期に使用すれば、将来に治療を中止できる可能性が指摘されています。
これらの新しい抗リウマチ製剤(抗TNF-α製剤や抗IL-6製剤)はリウマチの進行をとめる素晴らしい臨床効果がありますが、TNF-αやIL-6はもともと生体の防御反応の中で重要な役割を果たす物質ですので、当然、薬の使用は免疫力を低下させ、感染に対する抵抗力を落とします。副作用として、肺炎を含む呼吸器感染症、とくに肺結核の再燃・再発、カリニ肺炎、間質性肺炎、敗血症、が報告されています。
昨年の新聞報道でこれらの重篤な副作用が取りあげました。特に高齢の方はこれらの副作用に気をつける必要があります。
新聞報道で実際に使用されている患者様は不安をもたれた事と思います。
報道における副作用の頻度は実際には多いものではありませんが、その副作用に充分に注意をして使用する薬であることに違いありません。

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