公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

WE'RE KITANO!(北野病院チーム医療)
2025年10月29日

”口腔ケア・嚥下リハビリ”チーム

摂食・嚥下とは?

食べ物や飲み物を認識して口に運び、噛み砕いて飲み込み、食道を通じて胃へ送り届ける一連の動作のことを指します。これは栄養を摂るための基本的な機能であり、口・喉・食道などの協調した働きが必要です。障害があると誤嚥(ごえん)や栄養不足につながるため、リハビリや専門的なケアが重要になります。

飲み込む力を可視化する回診

耳鼻科医師を中心としたチームのメンバーが週に一度のペースで回診を行い、ベッドサイドで患者さんの飲み込み方を嚥下内視鏡検査で確認して評価を実施。それに基づいて、言語聴覚士が「安全な食事の摂り方」を提案・指導するほか、管理栄養士が「患者さんに合わせた食事形態」を検討し、とろみの具合も考慮します。
そのほか、歯科衛生士・理学療法士・作業療法士・薬剤師がそれぞれの専門知識を活かし、「口腔内を清潔に保つケアの方法」や「リハビリテーションの方法」「薬の安全な飲み方」なども提案しています。また、主治医や病棟看護師と連携しながら、よりよい食事環境づくりのための工夫を重ねています。

NSTとの連携による栄養管理

患者さんの健康管理と摂食・嚥下障害を改善するためには、栄養サポートチーム(NST)との連携も欠かせませんので、患者さんの健康状態や嚥下機能に合わせた食事内容の調整や、栄養管理を行っています。

院内勉強会による理解の促進

口やのどなどの働きが悪くなると食事をスムーズに摂ることが難しくなり、健康状態にも影響を及ぼすことになります。そこで、口腔ケア・嚥下リハビリチームでは、入院患者さんが安全に食事を楽しめるよう、定期的に院内で「職員向けの勉強会」も開催。嚥下食や栄養、口腔ケアの方法などに関する講義を通じて、多くの職種・スタッフに摂食嚥下機能障害への理解を深める活動を行っています。

継続的なシステムと体制作り

月に一度、メンバーが集まって「チーム会」を開催し、患者さんの摂食・嚥下障害を改善するための方法や、安全な食事摂取のためのシステムを検討。一時的なものではなく、継続的なシステムとして活用できるよう取り組んでいます。たとえば、安全に食事を摂ることができる環境のフォーマット化や、障害の度合いを把握するための「嚥下スクリーニングフローチャート」の作成など、きめ細かな対応を行うための体制を整えています。

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