自力で呼吸ができず、人工呼吸療法や鼻に入れたチューブから酸素や空気を送るハイフローセラピーなどを実施している患者さんを週1回、チームで回診。「患者さんの病態に対して機器の設定が適切か」「皮膚に傷はないか」といった安全管理が守られているかを確認し、必要に応じて主治医に調整を提案します。長期間横になったままでは、患者さんの関節が固くなり、筋肉が落ちることで体の機能が低下し、ストレスにもなるため、理学療法士がベッド上で体を動かすなど積極的に呼吸リハビリテーションを行い、早期離床をめざします。
各診療科の医師からの依頼に応じ、人工呼吸器の設定や呼吸管理が困難な症例の患者さんへの対応を最新のエビデンスに基づき、専門的な視点からアドバイス。主治医、病棟看護師と連携し、患者さんの治療やケアを一緒に考えます。重篤な肺炎の患者さんの呼吸管理が必要な場合はチームでしっかりとサポート。退院後、患者さんからどのような生活を送りたいのかを聞き取り、在宅での人工呼吸療法や酸素療法への移行がスムーズにできるように支援します。
患者さんができるだけ早く機器の補助なく呼吸することができるよう、人工呼吸療法に必要な知識や機器の安全な使い方などについての研修を医師・看護師・理学療法士を対象に、定期的に実施。実際に人工呼吸器を着用するなど患者さんの立場を体験することで、実践的にスキルの向上を図るとともに、肌への摩擦や圧迫感など患者さんの不快感や不安といった心理状態も理解します。日頃、患者さんとの接点が多い理学療法士は、痰を吸引する作業の訓練も積極的に行っています。
臨床工学技士は、回診の際に「人工呼吸器が安全に使用されているか」「人工呼吸器の不具合がないか」をチェック。事故予防策や事故発生時の問題解決に関する会議を定期的に実施し、停電や災害時のリスク管理を主導します。その一環として、トラブル時にどう行動するのかを記した災害時アクションカードを作成し、設置。機器を装着している患者さんが不安になったり、強いストレスを感じたりしないよう、スタッフが常に冷静に対応できる体制を整えています。