公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

地域保健・医療研修

地域保健・医療研修必修科目 2年目

地域保健・医療研修
プログラム指導者  木内 俊一郎

1.目的

地域において行なわれている保健指導、医療、福祉に対する社会的ニーズを認識すると共に、保健所や地域の医療機関、福祉施設の役割、並びにこれらの施設で働く医師や多種類の専門職の役割を実践の中で理解し、地域住民や患者からの保健、医療、福祉に関する種々の相談に的確に対応できるような知識、技能、態度を身につけることを目的とする。

2.研修計画

原則として研修期間は1ヶ月とし、大阪市保健所または診療所、北区医師会立訪問看護ステーション、北区在宅サービスセンター「いきいきネット」、において研修を行う予定である。診療所はなるべく異なった標榜科での研修ができるように配慮する。

3.研修目標

1)大阪市保健所

  • 保健所の業務全般に亘ってその概略を理解する。
  • 結核やその他の感染症に対し保健所で行われている一連の事務や事業について経験し、その現状を理解する。
  • 難病を抱えながら地域で生活する患者の相談事業や訪問事業を通じて、患者と地域社会との関わりを理解する。
  • 組織的かつ包括的な取り組みを通じてはじめて医療の安全確保ができることを理解し、医療事故防止対策や事故後の対処法を学ぶ。
  • 災害や事故などにより住民が健康危機に直面した場合の保健所の役割、医師の取るべき処置を学ぶ。
  • 小児・成育医療における保健所の役割を理解する。
  • 地域の検診や予防接種等、組織的な健康管理・健康増進・疾病予防について理解し、機会があればその現場を経験する。

2)訪問看護ステーション、在宅サービスセンター・介護保険制度や地域福祉制度を理解し、地域と施設の関係、施設現場での実践、在宅サービスの役割を理解する

  • 介護認定の流れを理解し、認定調査を実習する。主治医意見書の書き方を学ぶ。
  • 各種在宅サービス(生活指導、入浴や食事の介助、在宅リハビリテーションなど)の実習を通して患者の在宅生活の実態を理解する。
  • 通所デイサービスの内容を理解する。

3)診療所

  • 第一線の診療活動を経験し、その意義を理解する。
  • 患者を取り巻く環境が患者の病態に及ぼす影響を理解し、患者を全人的に診ると共に、その家族とも良好な人間関係を築くことの重要性を学ぶ。
  • 地域における保健・福祉事業について、第一線医療機関の担っている役割と意義を理解する。
  • 地域医師会の活動の現状について理解する。
  • 病診連携の重要性を認識する。

4.評価方法

研修医は各施設における研修内容についてレポートを提出すると共に、各施設の責任者は別に定める評価項目について研修医の評価を行なう。
さらにレポートと各施設の評価表に基づきプログラム責任者が総合評価を行う。