2018年7月にがん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がんに対するPARP阻害薬の承認とともに、その投与可否判断のためのコンパニオン診断としてBRCA1/2遺伝子検査が保険収載されました。
2019年6月には初発進行卵巣がんに対する初回化学療法後のPARP阻害薬による維持療法のためのBRCA1/2遺伝子検査も保険適応となりました。
さらに2020年4月には乳がん、卵巣がんまたは卵管がん患者のうち、HBOCのリスクが高い患者を特定し、医学的管理(サーベイランスやリスク低減手術)を行うHBOC診療の一部が保険適応となりました。同年12月には、前立腺がん、膵がんに対して、PARP阻害薬のコンパニオン診断としてBRCA1/2遺伝子検査が保険適応となりました。
HBOC診療において、BRCA1/2遺伝子検査の実施やリスク低減手術を行うためには、それぞれにおいて施設基準を満たす必要がありますが、北野病院はいずれの基準も満たしており、遺伝学的検査の実施や検査前後の遺伝カウンセリング、血縁者診断、RRM・RRSOといったリスク低減手術からフォローアップまでの一連の診療を提供しています。
遺伝学的検査の結果はご本人だけではなく、その血縁者にも関係するものです。結果によっては遺伝について心配になったり、不安が大きくなったりすることが考えられます。遺伝カウンセリングでは、臨床遺伝についての専門家である臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーがご本人だけでなく、血縁者にも心理社会的なサポートを行います。
BRCA1/2遺伝子検査のための遺伝カウンセリングやHBOC診療にかかる連携を当院と希望される場合は、患者様を御紹介頂く前に施設間での連携に関する覚書き書の取り交わしをお願いしております。
連携していない施設からでも遺伝カウンセリングにご紹介いただけますが、その場合、遺伝カウンセリングの前に一度各当該診療科を受診していただく必要があります。この場合診療科を受診いただいた同日に遺伝カウンセリングを受けることは出来ません。別の日に遺伝カウンセリングの予約を取らせていただくこととなります。
診療情報提供書には以下の点について記載をお願い致します。
連携をご希望の場合は下記フォームよりご連絡をお願いします。