形成外科研修プログラム

プログラム指導者　　鈴木　義久

１. プログラムの目的と特徴

形成外科は体表及びその近傍の組織、器官の先天異常や後天性障害を扱う診療科であり、対象症例は全身多岐に及ぶ。それゆえ患者の心理面、社会適応等の問題を理解した上での対応を行い、機能的、形態的な治療が必要となる。そのためには形成外科研修の経験をもとに知識、技術レベルの向上のみならず、良識ある医師としての態度を修得してもらいたい。

2. 指導体制

日本形成外科専門医の指導のもとに基本的な診察・診断法と基礎的な手術を研修する。入院患者を担当し、個々の疾患に対する専門知識を深めるとともに治療方針・手術術式を検討し、実際に一連の治療を経験する。外来診療では指導医の補佐を行いながら患者との対応を学ぶ。

3. 具体的な到達目標

（１）基本的診察法、検査法

1. 病歴の正確な把握、現象の把握と記録表記法
   適切なコミュニケーション
   論理的思考
   全身及び局所の観察
2. 機能検査及び評価

（２）基本的治療法

1. 治療計画の策定
2. 創傷処置、術後処置
   消毒、無菌操作、麻酔、デブリードマン、止血軟膏療法
   創傷被覆剤の使い分け
3. 基本的手術手技の修得
   局所麻酔、神経ブロック
   切開、縫合法（糸結び、糸切り、埋没縫合、皮膚縫合）
   外来小手術
4. 手術手技の理解とその介助
5. 術後管理
   全身管理、局所管理
6. その他の治療法
   電気焼灼法等

４　教育課程

• 回診：水曜午前外来終了後ベッドサイドで各患者の問題点を検討する。
• カンファレンス：毎週金曜夕、外来患者および入院中の患者の症例検討を行っている。主治医は受け持ち患者を紹介し、治療計画や術後経過を報告する。適切な症例報告を行う能力を修得し、治療方針を理解する。
• 学会：日本形成外科学会総会、関西支部学術集会、大阪形成外科臨床会や大阪形成外科医会等への積極的な参加により、院外の医師との交流を図っている。

５　評価方法

外科部長・形成外科専門医・病棟主任医師により評価を受ける。