プログラム指導者 猪子 森明
問診、身体所見、そして生理検査を含めた検査所見に基づく循環器内科疾患の診断、さらに鑑別診断を行えること。また、初期治療に関する知識の習得、技術のトレーニングを目標とする。
研修医には必ず指導医が一緒につき患者を診る事になる。初日のケースプレゼンテーションから始まり、問題提起、その問題解決へとすすめ、指導医とともに診療に当たる。また回診日にはそのまとめを報告して、問題点を明らかにさせる。症例検討に当たったものについては、エビデンスを確認して症例の特異性を把握する。
心疾患の精査、加療のために年間800件程度行っています。写真は局所麻酔下に右上腕動脈からカテーテルを挿入し冠動脈造影を施行しているところです。
カテーテルを用いた治療として、虚血性心疾患に対するPTCA(経皮的経管的冠動脈形成術)、冠動脈ステント留置術、不整脈に対するカテーテルアブレーションも行っています。
心疾患の精査加療のために施行する。検査としては心内圧、心拍出量を測定するスワンガンツカテーテル検査、冠動脈、心大血管の病変を明らかにする造影検査、不整脈に対しての心臓電気生理学的検査がある。
治療としては虚血性心疾患に対するPTCA(経皮的経管的冠動脈形成術)、ステント留置術、不整脈に対する心筋アブレーション、心不全に対するIABP(大動脈内バルーンパンピング)、PCPS(経皮的心肺補助装置)などがある。
循環器内科は緊急を要する重症例が多く、時間のロスなく、円滑なチームワークが必要となることが多い。看護士、検査技師、臨床工学士、運動 療法士らとチーム医療を行い、患者に迅速な質の高い医療を提供する。また、一次予防、二次予防への取り組みも重要であり、危険因子の把握と対処を考える。
また心不全については、原因と悪化因子への考察が常に必要である。循環器内科では、胸痛、呼吸困難感など定量化できない訴えが多く、患者への同情と共感による取り組みが重要である。基本的な知識と技術の習得に満足せず、自らも更に高いレベルの医師への到達を目指す努力と忍耐が大切である。