北野病院では「ふるえ・パーキンソン病」の治療を希望される方のため、新たな窓口を開きました。
多くの方が経験する「ふるえ」のうち、手がふるえて、うまく字が書けない、お箸が使えない、コップで水が飲めない、といった症状は「本態性振戦」の「ふるえ」の可能性があります。「本態性振戦」では手の「ふるえ」以外に、頭がゆれたりや声がふるえることもあります。この「本態性振戦」に対する治療では、薬の効果が弱い、あるいはお薬の副作用で十分に内服できないといった問題がしばしばみられます。
また「パーキンソン病」の症状として「ふるえ」がなかなか治らないという方があります。また「からだの動きが鈍い」という運動症状、あるいは薬を内服するとからだが勝手に動く「ジスキネジア」(運動合併症)が治りにくいという方もおられます。
当院では、「本態性振戦」や「パーキンソン病」の「ふるえ」、また「パーキンソン病」の運動症状や運動合併症に対して外科治療を行なっております。診察は「ふるえ・パーキンソン病」外来で受け付けております。
「ふるえ」や「パーキンソン病」に対する外科治療に、新たに「切らない手術」の選択肢が加わりました。
現在「ふるえ」に対する保険診療として認められた外科治療は
の3つの方法です。
このうち「集束超音波治療」は、最新の「切らない手術」で安全な方法として注目されています。超音波を用いるだけで、メスで切る、骨に穴を開けるといった手術操作が不要であり、「脳深部刺激療法」で用いるペースメーカー型の機械を埋め込む必要もありません。「集束超音波治療」は、頭を装置に固定した状態でMRI検査室に入り、脳の一部に超音波を集中させて、効果と安全性を確認しながら「ふるえ」を抑える、という画期的な治療法です。「切らない」方法であるために、従来の手術に比べ安心して治療に臨んでいただくことができます。
当院では、2021年3月から「集束超音波治療」を開始いたします。現時点では右か左の片側の症状に対してのみ行います。
「集束超音波治療」は「本態性振戦」と「パーキンソン病」の「ふるえ」、また「パーキンソン病」の運動症状・運動合併症に対する保険認可を受けた治療法です。診察では「ふるえ」や「パーキンソン病」の症状やこれまでの治療を伺い、また頭部CT検査で頭蓋骨密度を測定して「集束超音波治療」が可能か判断します。なお治療の際には超音波装置を頭皮に密着させるため、髪の毛を全部剃っていただく必要があります。入院は約1週間です。
当院ではこの「集束超音波治療」を「脳深部刺激療法」や「定位破壊術」に加え、「本態性振戦」や「パーキンソン病」の治療を提供いたします。
FUS 集束超音波治療 |
DBS 脳深部刺激術 |
GKRS ガンマナイフ |
RF 高周波熱凝固法 |
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フレーム装着 | あり | あり | あり | あり |
剃毛 | あり | 部分あり | なし | 部分あり |
穿頭・術創 | なし | あり | なし | あり |
効果 | 即効 | 即効 | 4ヶ月前後 | 即効 |
調節性 | なし | あり | なし | なし |
可逆性 | なし | あり | なし | なし |
両側治療 | なし | あり | あり | なし |
医療機器埋込 | なし | あり | なし | なし |
保険適用 | あり | あり | なし | あり |
FUSの詳細についてはこちらの機器紹介ページをご覧ください。
*患者さんの同意を得て撮影しています。
頭髪の剃毛
フレーム装着
治療前のふるえ確認
MRI室で準備
位置設定と超音波照射
治療中のふるえ確認
治療後のふるえ確認
治療前のふるえの状況
治療後のふるえの状況
*治療後は患者さんがお名前を書き込まれたので、その部分は加工して削除しています。
左:治療前/右:治療後
北野病院で実際に治療にあたる戸田医師、西田医師と、実際に治療を受けられた患者さんのお話を動画にまとめました。ぜひご覧ください。
ふるえ・パーキンソン病に対する新たな治療法をテーマに、京都大学と北野病院の共催により開催しました。全編公開しておりますのでぜひご視聴ください。
各講演内容と講師の詳細につきましてはリンク先のページをご確認ください。
FUSによる治療は全ての患者様が対象となる訳ではなく、医師が最初に診察・検査した上で判断させていただきます。ご了承ください。
受診方法 |
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患者様ご自身でご予約いただく流れ患者様ご自身での予約お申し込みページをご参照ください。 |
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お問合せ先 | 北野病院 3階 外来Dブロック |