公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

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脳炎・脳症

髄膜炎・脳炎は、脳や脊髄、これらを包む髄膜に炎症がおき、症状としては発熱、頭痛、嘔吐、反応の低下、けいれんなどがみられます。原因としてはウイルスや細菌などの微生物の感染性、自己の免疫システムが炎症を起こす自己免疫性、薬剤性や腫瘍性などがあります。速やかな診察、髄液検査(腰のあたりから細い針をさして脳脊髄液を採取)、頭部を含めた画像検査、採血検査などが必要となります。原因によって、抗生物質や抗ウイルス剤による感染症の治療をおこなったり、ステロイド剤などによる免疫の治療を行います。

急性脳症は脳に血管障害や感染がはっきりしないにも関わらず、脳の腫れなどで機能障害がおき、反応の低下やけいれんなどがおきる状態です。脳だけでない全身の代謝活動の問題がおもな原因となり、糖尿病や腎臓病、肝臓病、薬剤などが関係します。原因となる代謝異常を調べ、他科とも連携しながら治療を行います。

髄膜炎・脳炎、急性脳症ともに、治療を行っても意識障害や認知機能障害、運動麻痺などが後遺症になる場合があり、リハビリや療養のための転院が必要になることがあります。