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漏斗胸センター

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漏斗胸センターについて

北野病院に漏斗胸の診断・治療を複合的に行なえるセンターを2018年10月に開設いたしました。漏斗胸は生まれつきの疾患ですが、悩んでいる方はこどものみならずおとなにも少なくありません。幅広い年齢の漏斗胸の方に肋軟骨変形の手術をしますので、骨疾患、胸部手術、全身麻酔、術後疼痛管理、呼吸リハビリ、手術の傷あとの専門家が集まって治療する方が良い結果が得られます。

北野病院には胸の手術の専門家である胸部外科、骨の専門家の整形外科、麻酔・疼痛管理の専門家の麻酔科、傷あとの専門家の形成外科、呼吸リハビリ専門のリハビリテーションセンターがそろっていますので、集学的な治療が可能です。対象患者さんにはこどもが多いので、当センターでは漏斗胸治療の経験が多い小児外科医が窓口となり診断・治療を行ないます。

漏斗胸とは

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胸壁の中央部が凹んでいる変形を漏斗胸といいます。肋軟骨の変形が原因とされており、胸の凹みの程度は人により様々で、軽い凹みから非常に高度の凹みまであります。乳幼児期に凹みに気づくことが多く、成長とともに目立ってくることがあります。以前は気づかなかったのに、背が伸びてきて目立ってくることもあります。約1000人に1人程度の割合で起きるといわれ、まれな症状ではありません。家族内発生もあり、遺伝的な要素もあるといわれています。

漏斗胸の症状

幼児期では凹み以外の症状はないことが多く、凹みの程度によっては風邪症状が長引いたり、喘息様の症状が出ることがあります。思春期以降では胸痛、動悸、労作時の呼吸苦などあることがあります。身体的症状がなくても学童期、思春期では「心」の問題、いじめに関連する精神的悩みが漏斗胸患者さんにとって大きな問題になります。

検査・治療の内容

写真撮影、胸部レントゲン、心電図、呼吸機能、胸部CTなどの検査を行ない、漏斗胸の程度や心肺の圧迫状態を確認します。CTは放射線被ばく量が多いので極力撮影回数を減らしています。検査結果から治療方法や対応方法を本人とご家族と話し合って決めます。

当センターでの治療には手術と手術以外の方法があります。

手術治療は1998年にアメリカのNuss先生が報告した低侵襲手術手技である胸腔鏡補助下胸骨挙上術、いわゆるナス手術を行ないます。両側胸部(腋の下)に3-4cmの皮膚切開から金属のバーを胸の中に埋めて前胸部を内側から持ち上げることにより凹みを治します。以前の方法と違い肋骨や胸骨を切らないので、手術時間が短く、出血量も少なく、傷も目立ちません。金属のバーは年齢によって異なりますが、1年半から3年後に抜き取ります。両脇に傷あとが残りますが、胸の真ん中には傷あとは残りません。

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症例

いずれの症例も、手術前と手術直後の様子です。

症例1
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症例2
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保存的治療(手術以外の治療)
運動療法
胸を張って開く運動、例えば水泳などは肺活量を増やして胸の形を良くします。ある程度は有効ですが、凹みそのものが著しく改善するとわけではありません。漏斗胸の方は水泳が嫌いということも問題です。
姿勢療法
漏斗胸患者さんは猫背のことが多く、これは更に胸の凹みを目立たせてしまいます。胸を張って大きな息を吸い込むようにすると凹みは目立たなくなります。また手術の前後も胸を張る努力をすると姿勢も良くなり、バーのずれ予防にもなります。
陰圧吸引療法(バキュームベル、ペクタスエッグ)
前胸壁に大きな吸盤をつけて陰圧をかけて胸壁を持ち上げる方法です。有効性は報告されていますが、手術以上の効果は望めません。長期間(3年間)、毎日続ける必要があります。
手術を行なう年齢

手術を行なう年齢は肋軟骨が柔らかい時期の方がいいと考えますが、術後に安静が保てないなど協力が得られない年齢では避けるべきです。従って、早くても5歳以降が良いと考えます。10歳以上が良いとする意見も多いですが、小学校入学後はプールなどの関係でいじめが多くなるのも事実です。当院小児外科医の経験では小学校低学年の方が肋軟骨が柔らかいので陥凹の矯正がしやすく、術後の痛みも少ないです。成長期ではやや過矯正にして再陥凹を防止します。Nuss術後は季肋部の変形を伴うことが多いのですが、成長期では成長に伴う矯正が期待できます。中学生以上になると軟骨が固くなり、生来の胸郭の扁平もあり前胸部の挙上が困難になってきます。さらに成長に伴う、Nuss法では矯正できない陥凹の左右非対称が生じてきます。術後の痛みは肋軟骨が硬くなる10歳以降の方が強く、術後の回復に時間がかかります。高校生になると成長による季肋部変形が残ってしまいます、Nuss術後は3か月程度は運動が制限されますので学校生活、仕事に支障がでやすくなります。

成人の漏斗胸

成人の漏斗胸に対してもNuss手術は適応されますが、肋軟骨の骨化が進み硬くなっており、成長期のような効果は期待できませんが、バーを2本挿入することなどで前胸部の陥凹は目立たなくできます。必要入院期間は約1週間ですが、成人では疼痛管理のため延長することがあります。

漏斗胸センターの特徴

センター化することによりこどものみならず成人に対しても漏斗胸の治療を行えるようになりました。各診療科専門医のアドバイスによって年齢に応じた治療法が選択でき、集学的な手術後管理が可能です(特に手術前後の呼吸器リハビリ、手術後疼痛管理)。

診療時間のご案内
診療日 土曜日(第1・3・5) ※祝日、年末年始は除く
診療受付時間 8:45~11:30
診療開始時間 9:00~
受診方法 診察予約が無くても受診可能
※但し、初診時に他の診療所や病院などからの紹介状をお持ちでない患者様には、通常の初診料等の医療費とは別に、選定療養費としてご負担頂いております。初診時選定療養費参照
お問い合わせ先

2階Bブロック受付
電話 06-6312-8827

業務実績(治療実績・学会/著作/研究活動 等)

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