病院のことって、実はよく知らない。
そんなあなたにぜひ知ってほしいことがあります。
知識があれば、いざというとき役に立ち、安心につながる。
そして、きっと誰かに話したくなる
病院のきほんの「き」をご紹介します。
A 緊急性が高いときはすぐに救急車の要請が必要ですが、一方で救急車や救急隊員の数は限られており、症状の軽い方が安易な救急要請をすることは望ましくありません。適切に救急車を利用していただけるよう、覚えておきたいポイントをご紹介します。
例えば治療開始までの時間が予後に影響する脳梗塞には「FAST」という確認方法があります。
また、救急車を呼ぶべきか迷ったときは電話で相談できる「#7119」、子どもの急な病気、けがについては休日夜間に電話相談ができる「♯8000」と覚えておくと安心です。
ドクターカーとは、医療機関が所有する緊急用自動車のこと。北野病院のドクターカーは、地域の医療機関から紹介された患者さんの搬送の場面で活躍しています。保育器をそのまま乗せることができる特別仕様で、要請が入り次第、成人患者の搬送だけでなく新生児の搬送も行っています。
ドクターカー
保育器
A もし自分の命に関わるような大きな病気やケガをしたとき、どんな治療を望むのか、考えたことはありますか?
家族の身に起こってしまった場合も、「できる限りの治療を受けたい」のか、「痛みを何とかしてほしい」のか、「治療は望んでいない」のか、本人の希望が分からないと困ってしまうことでしょう。
「もしものとき」は突然やってきます。元気なうちに、どのような医療やケアを受けたいか、または受けたくないかについて、家族や信頼する人と話し合っておくことが大切です。
自分自身が望む医療やケアを家族や医師、介護する人たちと繰り返し話し合い、共有する取り組みを「人生会議(アドバンス・ケア・プランニング:略称ACP)」といいます。人生会議は死に方を考えることではなく、「自分らしく生ききるとは何か」を考えることです。まずは自分の価値観や人生観について考え、周囲の信頼できる人と話し合い、文書に書き留めておきましょう。
A クリニカルパスとは、均一な医療の提供を目的に入院から退院までの治療計画を記入したスケジュール表のことです。検査や手術、食事などのタイミングを詳細に知ることができるので、患者さんやご家族に入院生活をイメージしていただきやすく、不安の軽減にもつながっています。手術前も手術後も、患者さんと病院が協力し合って行われるのが「治療」です。北野病院では、治療を受ける側の患者さんにも正しく理解していただき、入院準備を進めていただけるよう、わかりやすいクリニカルパスの作成を行っています。
患者さんと入退院サポートステーションの看護師とで行う入院前の面談では、クリニカルパスの内容説明に加え、開腹手術なら「傷口にあたって痛みがひどくならないよう下着は締めつけがきつくないものを持参する」、整形外科なら「着用しにくいズボンタイプのパジャマではなく和式の寝衣のレンタルを推奨する」など、術後の状態を加味した細やかなアドバイスも行っています。