研究について
先天性無歯症の患者さんに新しいお薬が使えるようになるまで
予 定
- 2020年~2022年 ヒト化抗体の研究開発
(対象モデルの実証実験、予備毒性試験) - 2022年~2023年 非臨床安全性試験
(GMP製剤の準備、臨床試験の計画) - 2024年~2025年 P1試験
(漸増投与により安全性確認と至適投与量同定) - 2025年~2028年 P2a,P2b試験
(至適容量での有効性と安全性の確認) - 2027年~2029年 P3試験
(患者数を増やし、有効性と安全性の検証)
- 2029年 国へ国内承認申請と専門家による審査
- 2030年 国内市場へ市販薬として送出す
心当たりのある方は…
ご本人あるいはご家族の方で、次に当てはまる方は、先天性無歯症かもしれません。
レジストリ登録とは…
歯の数に変動のある先天性無歯症と考えられる5歳位~60歳位までの患者さんと、その家族を対象として、ゲノムDNAを用いて、歯の数の決定に関係する遺伝子の解析を行い、データを集積していくための治験対象患者候補登録です。
ゲノムDNAとは、染色体DNAを表した言葉です。ゲノム(遺伝子)、DNA(デオキシリボ核酸)
<レジストリ登録の流れ>
まずは、かかりつけの歯科に受診し、紹介状を書いてもらってください。
居住エリアにある先天性無歯症グループの登録施設に受診をして頂きます。
※受診には、事前予約が必要となります。
- 生えている歯が乳歯なのか、永久歯なのか、歯が生えていないかなど、診察をしてきちんと確認をします。
※ 場合によっては、レントゲンであごの骨の中の歯も確認していきます。 - 唾液(約2-3ml)を採取させていただきます。
※唾液の採取は専用のキットによって患者さん自身で実施することも可能です。
※特に安全性を脅かすことはありませんのでご安心ください。 - 採取した唾液からゲノムDNAを精製し、遺伝子を増幅させ、得られた遺伝子の塩基配列に変異があるかどうかを明らかにし、解析結果を歯の形成を誘導する歯をふやす薬の開発研究に役立てます。
塩基配列とは、DNAは4種類の塩基、A(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)を含んで構成されており、この塩基の並び順のことを塩基配列と言い、塩基配列によって作られるタンパク質が違ってきます。
治験とは…
治験とは、新しく開発されたお薬(候補)の安全性や有効性を調べるための試験です。
治験には、大きく分けて3つのステップがあり、ステップごとに対象者が異なります。
★FIT試験とは…
第I相臨床試験:動物試験で安全性と有効性が確認された後、ヒトに初めて投与する段階の治験
「First in human」です。
1つ目のステップでは、健常者男性成人(30歳~65歳)が対象。
2つ目のステップでは、ある程度効果の出そうな人。
(レジストリ登録者の中から、今回は4本以上先天性欠如歯に該当する2歳~7歳の小児が対象)
3つ目のステップでは、多数の人が対象となります。
★将来的には、3本以下の先天欠如歯の方にも適応拡大していくことを目指しています。
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