公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

大動脈ステントグラフト治療

大動脈ステントグラフトによる
大動脈瘤や大動脈解離の治療

大動脈瘤の治療は長い間、外科的な人工血管置換術が唯一の根治的治療でした。しかし、高齢の患者様が増加し、外科的治療の適応になりにくい方やまた個々人のニーズとして「もっと低侵襲な治療を」という要望が高まり、ステントグラフト内挿術が生まれました。これは、金属ステントに人工血管素材で被覆した血管内挿型人工血管を用いた経カテーテル的血管内手術です。
原理としては、カテーテルシースによって ステントグラフトを動脈内に誘導し拡張固定させ瘤内血流を遮断して血栓閉塞を誘発し、瘤内の減圧と血行再建を同時に成し遂げようとするものです。この方法は、従来の手術に比べて出血量の減少、開腹に伴う合併症を予防できる点から低侵襲な治療法であり、リスクの高い患者様やご高齢の患者様にとって特に有益です。当院では2010年より治療開始し、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤、さらには急性および慢性B型大動脈解離(基本は薬物使用による内科的治療ですが、ごく一部の患者様でステントグラフトによる治療が必要になる場合があります)についても治療を行っております。また、腹部大動脈瘤破裂で救急受診される患者様の89.1%は腹部大動脈瘤と診断すらされておらず、本疾患に対する専門外の医師や一般の方の関心の低さも大変気になるところであり、周辺地域の開業医の先生や当院患者様の会などでの疾患啓蒙も行っております。

大動脈ステントグラフト01 大動脈ステントグラフト02