陰嚢の中にお水のたまった袋があり、陰嚢が大きく膨れる状態です。中には、水のたまった袋が固く触れ、もう一つ睾丸があるように見えることもあります。基本的に痛みは伴いません。
こどもの陰嚢水腫は、おなかの中から陰嚢内につながる細い通路があり、おなかの中の水 (腹水)がその通路を通って、陰嚢内の袋に溜まることで起こります。
陰嚢水腫も鼠径ヘルニアも原因はおなかの中から続く通路です。通路が大きいときは、腸 管などの臓器がおなかの中から袋に入ります。そういう状態を鼠径ヘルニアと言います。一方、 通路が細いときは臓器は入り込まず、腹水だけがたまります。そういう状態を陰嚢水腫と言います。時に鼠径ヘルニアと陰嚢水腫の判断は難しいこともあり、エコー検査なども行います。
陰嚢水腫は、陰嚢は腫れていますが基本的に大きな害はありません。乳児期に多く見られ ますが、1歳ころまでに、小さくなってくることが多いです。しかし中には1歳を越えても大きいま まの患者さんもいます。その場合は、美容的な意味合いで手術を行うこともあります。手術は 腹腔内からの水の通り道である通路を閉鎖する手術で、基本的に鼠径ヘルニアの手術と同じ です。当院では、傷の小さな腹腔鏡手術を取り入れています。