公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

新生児の消化管穿孔

新生児しんせいじ 消化管穿孔しょうかかんせんこうとは

消化管とは胃や腸などの臓器です。新生児ではさ まざまな原因で消化管に穴があくことがあります。 特に低出生体重児では、腸の動きが弱く胎便が自力 で出せないことがあります。低出生体重児は腸の壁 も弱く、腸が張ってくると容易に腸穿孔を起こしま す。

穿孔を起こすと?

胃や腸の内容物がおなかの中に漏れるので、腹膜炎 という状態となり、急激に全身状態が悪化します。 生命の危険性がある状態となります。

検査は?

一般的にはおなかのレントゲンを行います。 レントゲンで、腸の外に空気がたまっていれば、ど こかの消化管に穴が開いていると判断します。その 他、超音波検査やCTを行うこともあります。

横からレントゲンを撮ると よくわかります

治療は?

体重や全身状態により様々ですが、一般的には緊 急開腹手術が必要です。穴の開いた部分を閉鎖する か、状況によっては一時的な人工肛門を作る必要が あります。また全身状態が非常に悪く、手術を行う ことが出来ない場合は、おなかにチューブを留置し て漏れたものを体外に出すようにします。

*新生児で胃や腸に穴が開いた状態は命の危険があります。緊急の処置が必要です。