公益財団法人田附興風会 医学研究所北野病院

こどもの虫垂炎の診断PAS

虫垂炎の診断

虫垂炎は比較的容易に診断できる場合もありますが,特に小児の場合は類似した症状をきたす疾患が多く,問診・検査が難しいことから診断には熟練を要します.虫垂炎では重症度とともに治療も難しく,合併症も増加するため,早期に診断・治療することが重要です.近年,初期診療の段階での虫垂炎診断においてスコアリングシステム(表1)の有用性が報告されており,日本小児救急医学会が公表した『エビデンスに基づいた子どもの腹部救急診療ガイドライン2017』でもスコアリングシステムを用いたアルゴリズム(図1)が提唱されています.

表1:スコアリングシステム

* エビデンスに基づいた子どもの腹部救急診療ガイドライン2017 より
* active observation:経口摂取禁止の状態で輸液を行い4~8時間おきに身体診察や 白血球数、好中球数などの検査を繰り返すこと

図1:アルゴリズム

* 合計スコア7点以上で急性虫垂炎と診断
* Samuel M. Pediatric appendicitis score. J Pediatr Surg. 2002;37(6):877-881.