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呼吸器内科
治療について

肺がん

肺癌患者さんの治療は、呼吸器外科、放射線科、腫瘍内科と協同して行っています。
手術、放射線治療の適用にならない患者さんについては、主として抗がん剤による治療を行っています。最近では、肺がんを引き起こす遺伝子異常もわかってきました。これら遺伝子異常がある肺がん患者さんには、この遺伝子の異常部分に作用する経口薬(チロシンキナーゼ阻害薬)が開発され、大きな成果を上げております。
また、最近では、肺がん細胞を攻撃する免疫細胞を活発化させる治療(免疫チェックポイント阻害薬)も保険適用となり、注目されています。
これらの治療には副作用も伴います。また、色々な併存症のある患者さんもおられます。多職種によるチームで一人一人の患者さんに合わせた対応を行うようにしています。

呼吸器感染症

年間200名を超える肺炎患者さんが入院されます。特に高齢者の肺炎が増えています。その場合、身体能力の低下や、栄養障害、嚥下障害を伴うことも多く、リハビリや栄養管理も併せて行っております。
その他、肺非結核性抗酸菌症も中年以降の女性を中心に増えております。

びまん性肺疾患

間質性肺炎などびまん性肺疾患の患者さんも多くなっています。これらの患者さんに対しては、まずその原因は何かをしっかり検討します。意外にも原因不明の間質性肺炎と診断されている中に、鳥関連慢性過敏性肺炎(羽毛製品などに対する過敏症)や膠原病肺などが混じっていることがあります。慢性過敏性肺炎を疑う患者さんにおいては、スタッフが自宅まで赴き、環境調査を行うとともに、羽毛製品などの徹底した除去や環境整備の指導を積極的に行っています。それでも進行性の場合には、ステロイドや免疫抑制剤、抗線維化薬などを使用しています。

睡眠呼吸障害

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の患者さんには、鼻CPAP治療が有効です。この治療を導入した患者さんは月1回の定期通院が必要ですが、かかりつけ医の先生と連携してCPAP管理をするOSAS地域連携クリニカルパスも行っています(普段はかかりつけ医の先生を受診し、半年ごと、当科で治療状況の確認を行います)。
なお、中等症までのOSAS患者さんで、特に下顎が小さく後退している方に対しては、口腔内装置(OA)が有効なことがあります。

呼吸不全・その他

人工呼吸を要する急性呼吸不全(低酸素状態が続くこと)の治療には、まずBiPAP vision®やV60を用いた鼻マスク人工呼吸(NPPV)を積極的に行っており、気管内挿管をする頻度は大幅に減っています。酸素療法では、経鼻カニュラを介して加湿した高流量の酸素・空気混合気を投与するハイフローセラピーが急速に普及しつつあります。100%に近い濃度の酸素を投与することが可能です。
慢性呼吸不全の患者さんにおいては、SpO2モニタリングや経皮二酸化炭素分圧測定、ポリソムノグラフィーを積極的に行い、病態の正確な把握を心がけています。これらにより、睡眠に関連した低換気を認めた場合には、夜間鼻マスクによる人工呼吸療法(NPPV)を積極的に導入して効果をあげています。併せて、呼吸リハビリテーションを早期に導入し、患者の身体能力のアップなどを図っています。さらに、在宅生活に移行する場合も、地域医療コーディネーターを通じて、かかりつけ医や訪問看護、在宅介護と密な連携を図り、患者さんの自宅での生活の質の向上を目指しています。
鍼治療・漢方治療の積極的な導入も図っています。鍼治療に関しては、福島県立医科大学会津医療センターの鈴木先生を中心に、COPD患者に対する鍼治療の長期効果を見るための臨床研究(L-CAT)を外来で実施しています。一方、漢方治療に関しても、鈴木先生の指導の下、色々な患者に応用しています。特に呼吸器疾患の患者は、心身のバランスを崩している方も多く、漢方治療がしばしば著効しています。

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