2010. May. 8

  平城遷都1300年で奈良が賑わっている今年、タイムリーなクレソンの会としては、この機会を逃すわけにはいきません。そこで今回は、「平城遷都1300年祭」のメイン会場・平城京跡と東大寺を訪ねることになりました。
前々回の高野山、前回の姫路城に続き、今回もユネスコ世界文化遺産です。日帰りで、次々と世界文化遺産を見に出かけられる大阪のロケーションに感謝しながら、ツアーの日を楽しみに待ちました。
 奈良は思いのほか近く、この朝は道路の渋滞がなかったので、病院前を出発して1時間足らずで平城京跡に到着しました。10時前だというのに、もう会場にはたくさんの人が集まっています。今回は、遷都祭の公式ガイドさんの案内で会場内を見学することになっていたので、みんなで並んで入場です。朱雀門をくぐると、広大な平城京跡が目の前に広がりました。空はきれいに晴れ渡り、振り返ると朱雀門のはるか向こうに若草山の稜線がくっきり映えています。平城京の貴族たちもこの景色を見たに違いないと思うと、まるで時間をさかのぼったような、不思議な気持ちになりました。

 朱雀門から北へ800メートル行くと、今年復元された第一次大極殿があります。朱色の柱が美しいこの建物では、かつては国家行事が行われていたそうで、中には、天皇の玉座「高御座(たかみくら)」が再現されていました。眩しい日差しのもと、再び朱雀門を目指して平城京跡を縦断します。途中、華やかな衣装をまとったパフォーマンス隊によるパレードや、天平衣装を着た女性グループなどが目を楽しませてくれました。修学旅行や海外からの団体などたくさんの入場者がいたにもかかわらず、人の多さが少しも気にならないのは、130ヘクタールという平城京跡の広さのせいでしょう。

 この日のお昼は、東大寺近くのレストラン「天平倶楽部」で、豪華な天平御前をいただきました。個室だったので、存分におしゃべりをして、くつろぐことができました。食事の後は、いよいよ東大寺へと向かいます。
 
       
  東大寺に到着していつも最初にすることは、しかせんべいを買うこと。せんべいを手に持ったとたん、鹿たちが押し寄せて来るのはおなじみの光景ですが、今回出会った鹿たちは、服をくわえて引っぱったりおしりを咬んだり、人懐っこさを通り越してお行儀の悪い催促ぶりでした。だけどおじぎをしながら寄ってくる様は、何度見てもかわいいものです。鹿たちに追われながら南大門をくぐって大仏殿へ。久しぶりにお会いした大仏様はこの日も大きく(当たり前だけど)、優しい癒しのオーラをたっぷり浴びせてくれました。世界文化遺産をランクづけするとしたら、大仏さんがダントツ一位だなぁと思いながら、幸せな気分で奈良の街を後にしたのでした。
  クレソンの会がスタートしてから9年目の春を迎え、年に2回のバスツアーは、おなじみのメンバーとの再会がうれしく、初参加の方との出会いがさらにうれしい恒例行事として定着しました。
  みんなで過ごす時間はとても心地よく、言葉で表すとしたら、「安心」が最も近いと思います。まだツアーに参加したことのない方たちに、ぜひ一度、この気持ちを体感してもらいたいものです。