2007. Nov. 10
 秋のバスツアーが近づくと当日のお天気が気になって、一日に何度も天気予報のサイトを開いてはチェックする毎日。ところが何回見てもこの日は「傘マーク」がとれません。今回はみかん狩りを予定していたので、「どうか降らないで」という思いは強まるばかりです。すると、この思いが天に届いたように、前日の天気予報では「曇り」に、さらに当日朝には「曇りのち晴れ」へと変わりました。そこで、用意してあった折りたたみ傘をバッグから放り出し、病院へ向かってうきうき気分で出発したのでした。 
 病院前を出発していくらも走らないうちに空は快晴となり、絶好のみかん狩り日和に!休憩ポイント淡路島サービスエリアでは、青い空に映える明石海峡大橋をバックに、これまでで最高の記念写真を撮ることができました。
 まぶしく光る瀬戸内海を眺めながら淡路島を縦断し、最初の訪問先、洲本市の「平岡農園」へ到着しました。ハサミと袋を受け取って、さっそくみかん山へと入って行きます。目印の青い旗が立っているのが農園おすすめの木。それらをめざして、みんな一斉に斜面を上って行ったと思うと、あちこちから「この木のが甘い!」「こっちこっち」と情報が飛び交っていました。青空の下、みかん山で過ごす時間が、日ごろ屋内にばかりいる者にとっては大変新鮮で、外でみかんを食べる解放感とあいまって、予想をはるかに上回る楽しいひとときになりました。陽射しがこの時期としては強すぎて、ジャケットを脱いでいても汗ばむ陽気。摘みたてのみずみずしいみかんが乾いたのどを心地よく潤してくれました。
  再びバスに乗りさらに南下して、この日の昼食場所「淡路島牧場」へと移動。ここは、牛の放牧場やポニー乗馬場、小動物園などがある広い施設です。「もうもうランチ」という名のついたボリュームたっぷりのお弁当をいただいたあと、施設内で子牛に乳を飲ませたり、オリジナルのアイスクリームを食べたり、座っておしゃべりをしたり、それぞれに楽しい時間を過ごしました。
 
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 淡路市(旧一宮町)は、全国の約7割を生産する線香の町。大手企業の工場もこの一帯に集中しています。この日わたしたちは「薫寿堂」の工場を訪ね、お香づくりを体験しました。お香のもととなる粉を乳鉢に入れ、そこへローズマリーやラベンダー、ストロベリーなど好みの香油を加えて丁寧に練ります。それを麺棒で薄く延ばし、クッキー型で抜いてできあがり。ハート型や星型などオリジナルのお香が次々と完成し、近くの人同士で「香り」の交換が行なわれていました。これらは厚紙にはさんで持ち帰り、2日間乾燥させてからすてきな香りを楽しみました。
  みかんにお香、そして帰りに立ち寄った「淡路島ハイウェイオアシス」で買った、たまねぎスープや淡路ラーメンなど、淡路島ならではのお土産をたくさん抱えたみんなを乗せたバスは、一路大阪へと向かいました。秋の一日はとても短く、明石海峡大橋を渡る頃にはもう暮れかかっていました。振り返って見た夕日が美しく、楽しかった旅のフィナーレを飾ってくれているようでした。
 後日、初参加の方たちから手紙が届きました。「人見知りなので参加を迷っていましたが、大勢と友達になれて本当によかった」「たった一日で仲良しができて、すぐメル友になりました」と書いてくれていました。時間が経過しても、顔ぶれが少し変わっても、居心地のいいクレソンのムードは少しも変わっていないなぁ、と実感。
知り合うきっかけは決して幸せなものではないのですが、だからこそクレソンの会は、本当に理解しあえる友達にめぐり会えるところだと思うのです。半年後の再会を楽しみに、部屋ではローズマリーのお香を焚く毎日です。