2007.May.12
 この5月、クレソンの会の親睦バスツアーもとうとう10回目を迎えることができました。第1回の三重県を皮切りに、香川、岡山、和歌山、滋賀などあちこちを訪れ、楽しい思い出をたくさん作ってきました。ここ数回は、化学療法中の方たちの体調を考慮して、移動距離を短くし訪問先でゆっくり過ごせるコースを選び、定着しつつあります。そこで、10回目の記念に選んだ行き先は京都。京和菓子の老舗をたずね、みんなでお菓子づくりを体験することになりました。今回は、乳腺外科の先生方と富山先生には、いずれも学会のためご参加いただくことができず、3名の看護師と参加者のお子さんたちを含めて参加者全員が女性という気楽な顔ぶれとなりました。
 この日訪れた京都市東山区の和菓子店「甘春堂」は、豊国神社のすぐ前にありました。暖簾をくぐると美しい季節の和菓子が並んでいるのが目に入り、さらに店の奥へ進むと甘い香りに包まれて、お菓子作りへの期待感がたかまってきました。
 みんなでお揃いのエプロンをつけ、丁寧に手を洗いさらに消毒をして、いよいよ初めての和菓子作りが始まりました。メニューは、干菓子1点と生菓子3点です。最初に挑戦した干菓子は、生地を薄くのばして型抜きするだけの簡単なものだったのですが、次に挑戦した生菓子はずいぶん難しいものでした。一つ目はういろ。薄く延ばしたういろうで餡玉をそっとくるみ、三角の木べらですじを入れると菖蒲の花ができあがりました。次は練りきり。白い餡にピンクの餡を重ねて広げ、餡玉を包みます。目の前で、職人さんが手のひらと指を使って器用に包んで見せてくれるのですが、我々にはなかなかうまくできません。自己流でなんとか餡玉を包み、茶巾でぎゅっと絞って取り出すと、きれいな牡丹の花になっていました。はじめに重ねたピンクの餡がほんのりと透けて見えて、とても上品な仕上がりでした。最後はきんとんです。2色の餡をうらごししてできたそぼろを餡玉に貼り付けて、つつじの花を作ります。いつもにぎやかな参加者も、この時ばかりは言葉少なく作業に集中していました。4種類のお菓子ができあがったところで、みんなの席にお薄が配られ、好きな1個を選んで試食の時間となりました。できたては、やわらかくておいしいに決まっていますが、この日ほど和菓子をおいしく感じたことはありませんでした。残りはお土産に、箱に入れて大事に持って帰りました。
 
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 再びみんなを乗せたバスは、甘春堂を後にして洛北へと向かいました。この日の昼食場所は「しょうざん」。江戸時代に本阿弥光悦が芸術村を開いたとされる紙屋川のほとりにある施設で、広い日本庭園に由緒ある建物が移築・保存されています。施設内のレストランで松花堂弁当をいただいた後、園内を散策したりお土産を選んだり、午後の時間をみんなでのんびり過ごしました。「しょうざん」から南へ約1キロ移動して、この日最後に訪れたのは金閣寺です。実は初めて見る金閣寺。キラキラと輝くその美しさにしばらく見とれてしまいました。このとき、うれしいでき事がありました。学会を終えられた富山先生が金閣寺まで駆けつけてくれたのです! 半年ぶりに先生に会えてみんな大喜び。話がはずみ、ハッピーな旅の締めくくりとなりました。

 この日は、久しぶりに会えたみんなと、ノドが痛くなるほどおしゃべりしました。初参加の方たちとも、瞬時に仲良くなりました。また、訪問先が京都だったことやテーマが和菓子だったことで、とても華やいだ気分になれました。
「京都の神社仏閣めぐりをシリーズ化しても楽しいかも…」などと、クレソンの会の今後を思い始めると尽きることがありません。秋のツアーが今から楽しみです。