クレソンの会
2005.May.14
  昨年の11月に実施してからちょうど半年。いよいよ春の親睦バスツアーの日がやってきました。この日(5月14日)の到来を心待ちにしていたクレソンの会のメンバーが、出発の1時間も前から北野病院のロビーに次々とやって来て、半年ぶりの再会を喜び予想どおりの大騒ぎ。そこへ、富山先生や竹内先生、それに前回体調不良で参加できず涙をのんだ川崎主任も元気な姿で集まってくれました。さらに、育児休暇中の新谷さんはベビーといっしょに参加してくれました。この最年少の参加者がみんなの心を和ませて、たちまちクレソンの会のアイドルになってしまったことはいうまでもありません。
  お天気も私たちに味方して、朝から快晴。
気持ちのいい5月の青空のもと、参加者を乗せたバスはこの日の目的地「滋賀農業公園・ブルーメの丘」へと向かいました。
    毎回目新しいことに挑戦するのがバスツアーの恒例となっていますが、この日みんなで体験したのはステンシル(型染め)。型紙を布に置き、その上から小さなスポンジを使ってトントンとたたいて染料をのせていくシンプルなクラフトです。素材は、たくさん物が入って便利そうな巾着型のポーチに決めました。お花やアニメのキャラクターなど、それぞれ好きな型紙を選んでさっそく染めの作業を開始しましたが、「簡単そう」と高をくくっていたら、これがなかなか難しいんです!   
 
  「一番のポイントはインクの量を少なめにすること」と、スタッフの人に教えてもらっていたのに、インクを多くつけすぎて、テディベアを染めたつもりがコアラの顔になってしまいました。ふくれっ面で周りを見ると、いつもにぎやかなクレソンの会のメンバーもこの時ばかりは口数が少なめ。眉間にシワをよせたりしながら真剣な表情で作品づくりに取り組んでいる様子が、なんともほほえましく思えたひと時でした。やがて個性豊かな作品ができあがり、家族や自分への素敵なお土産になりました。  
 手作り体験のあとは、「ブルーメの丘」名物のバーベキューパーティーです。ビールで乾杯して、盛りだくさんの食材を焼いて、大満足のお昼ごはんでした。さらに、前にここを訪れたことのある人から「丘の上のパン屋さんのパンを買って帰るべし」という情報をゲットしたみんなは、さっそく駆けつけて焼きたてアツアツの大きなパンを購入! おいしいものの探求は、このツアーのもうひとつのテーマになりつつあるようです。
  この日は本当にいいお天気で、公園内の木や花や芝生がキラキラ光っているように見えました。そんな中、木陰のベンチに腰を下ろしたり、園内を散策したり、買い物を楽しんだりと、みんな思い思いに心地よい初夏の午後を過ごしたのでした。
  「ブルーメの丘」がある滋賀県日野町は、江戸時代に行商で財を成した日野商人で有名な町でもあります。公園を後にした私たちは、当時の町並みが保存されている一角でバスを降り、現在資料館として活躍している古い邸「近江日野商人館」に立ち寄りました。話上手な館長さんの説明に耳を傾けたり、200年前のたたずまいを今に伝える館内を見学したりして、思いがけないところで古い日本の姿を垣間見ることができました。
 バスツアーの実施も回を重ねて6回目。おなじみの顔も増え、みんなと再会するのを心待ちにしながら半年を過ごすようになりました。その一方で、毎回新しいメンバーも加わってくれます。この日は4名の女性が初めてツアーに参加してくれましたが、後日それぞれの方から手紙が届き、「明るく元気なみんなと過ごせて大変楽しかった」「みんなの姿を見ていると、長い治療を続けていくパワーが湧いてきた」「次回のツアーが楽しみ」と感想を伝えてくれました。(しめしめ。またクレソンのファンが増えましたよ!)

毎回このレポートでお知らせしているとおり、クレソンの会は本当に周りの人まで元気にしてしまう不思議なパワーを持っているのです。ツアーに参加することで、ひとりでも多くの女性の気持ちが救われることを祈りながら、次回のプランを練り始めているところです。