2003.November.29
 過去2回の実施ですっかり参加者の心をとりこにした親睦ツアーですが、この秋も「ぜひどこかへ出かけたい!」という機運が高まり、11月29日、待望の第3回バスツアーが実現しました。今回の参加メンバーは全部で33名。大変うれしかったのは、胸部外科部長の瀧先生が初めて参加してくださったことです。天気はあいにくの雨でしたが、雨雲を吹き飛ばす勢いの賑やかな参加者を乗せたバスは、この日の朝「岡山農業公園・ドイツの森クローネンベルク」を目指して病院前を出発したのです。
目的地まで約3時間。この移動時間を利用して、富山先生が勉強会を開いてくれました。乳がんとその治療法についてよく理解しておきたいという思いはあっても、市販されている図書や氾濫するインターネットのホームページから欲しい情報を探すのが煩わしくて、これまでつい敬遠してしまいがちでした。
ところが、先生がこの日のために作ってくれた資料は、知りたかった最新情報がいっぱい。しかもわかりやすいコメント付きだったので大変勉強になり、患者としてちょっとレベルアップしたような気分になりました。この資料は、旅の思い出と一緒に永久保存しなくては。
 「ドイツの森」へ到着したわたしたちがまず向かったのは、園内のレストラン。すぐにバーベキューパーティーが始まりました。この時、なんと瀧先生がソムリエ役を買って出て、ワインのボトルを手にみんなのテーブルを回ってくださったのです! 少しのお酒とおいしい食事のおかげで、みんな完全に打ち解けて、大いに盛り上がることができました。ツアーの恒例となった手作り教室は、用意されたパン生地を思い思いに成形するというものでした。シンプルなコッペパンから、かわいいアンパンマンや愛犬の似顔まで、個性あふれる作品ができあがりました。パンの焼きあがりを待つ間に、バター作りにも挑戦しました。生クリームを入れた容器をシャカシャカ振ってできあがったクリーミーなバターを、オーブンから出したばかりのパンに塗って食べると、そのおいしさに思わず絶句! こうして上機嫌になった一行は、自作のパンをお土産に帰途についたのでした。
帰りのバスの中では、瀧先生が「がん患者の疲労感とそれを克服する方法」について話してくれました。普段決して耳にできない貴重な話題だけに興味津々。忘れないように、せっせとノートをとっておきました。さらに、ツアーの終盤には「治療に関するアンケート」がありました。患者の声を聞くことで、患者にとって望ましい医療を実現しようとしてくれる富山先生の真摯な取組みに、この時改めて感動しました。大阪へ向かう中国自動車道でバスは大渋滞に巻き込まれてしまいましたが、これもわたしたちにとってはうれしいハプニング。大好きなおしゃべりを存分に楽しむことができました。
今回のツアーは、勉強会やイベント、ふれあいや感動がぎゅうっと凝縮された内容になりました。特に印象的だったのは、初めて参加した人たちが大変感動してくれたこと、周りの女性たちが病気に立ち向かう姿を見て「明日からの治療に向き合う力が湧いてきた」と言ってくれたことでした。励ましあうことこそ、この親睦会の原点。これからも、時間をかけてネットワークを広げていきたいと思います。

 「さて、次のテーマは何にしよう」などと考えながら、焼きたてのパンのようなほっこり気分で家路についた、充実の一日でした。 

 
*親睦会の名前が決まりました!
以前からの懸案であった親睦会の名前が、今回のツアーで決定しました。これは、会社や商品のネーミングを専門で手がけている、患者さんのご家族のご協力により実現したもので、この日、いくつか考えていただいた候補の中から参加者の人気投票により選ばれました。親睦会の名前は「クレソンの会」。
このステキな名前とロゴマークを掲げて、これからも様々な活動を展開していきたいと思います。