2002.November.15
 11月15日、朝、ペチャクチャにぎやかな女性たちを乗せたバスが病院前を出発しました。参加者は、北野病院で乳がんの手術を受けた経験のある女性19名を中心に、胸部外科の富山先生、看護師の川崎主任、そして会の主旨に理解を示してくださった患者の友人や姉妹の方たちです。富山先生の呼びかけに多くの患者が賛同し、この日、初めての「乳がん体験者の親睦のための日帰りバスツアー」が実現したのです。
いっしょに入院生活を体験した人や、この日初めて会う人たちと、近況報告や自己紹介をしあっているうちに、バスは紅葉の美しい伊賀路をたどり、あっという間に第1の目的地「伊賀の里 モクモク手づくりファーム」へ到着。さっそく園内のレストランで昼食会です。地元産の新鮮なお肉や野菜を使ったバーベキューを楽しみながら、ここでもおしゃべりが止まりません。
食事の後は、手づくり体験教室でウィンナーづくりに挑戦。こねたお肉を羊の腸に詰めていくのはなかなか難しい作業でしたが、みんなの協力のおかげで、1時間もすると、不揃いな長さの、でもとびきりおいしそうなウィンナーができあがりました。
園内のビール工房でできたてのビールを試飲したり、散歩や買い物を楽しんだ後は、次の目的地「伊賀流忍者博物館」へ。昔、実際に使われていたという忍者屋敷で、様々なからくりを見学しました。そして、すっかり打ち解けていいムードの参加者たちを乗せて、バスは一路大阪へ向かったのです。
 苦しい化学療法に耐えた人、転移・再発と立ち向かいながら健気に治療を続ける人、すっかり病気から立ち直り、家庭や職場で活躍する人…。程度の差こそあれ、この日参加したのは、恐怖やストレスを抱えて手術に臨んだ患者ばかりです。だけど、みんなとてもキレイで、イキイキとそれぞれの「今」を生きているという印象を受けました。女性って、本当にスゴイ…。「また会おうね」と言って、暗くなった街を帰っていくみんなの後ろ姿を見送っていると、ふつふつと元気がわいてくるのを感じました。

  「手術にはアフターケアが大切」との考えから、こんなステキな企画を立ち上げてくださった富山先生と看護師さんに感謝! この機会をステップにして次の行動を起こすのは、わたしたち患者の役割りだとわたしは考えます。みんなと力を合わせて、さらに楽しいイベントや心のケアのための企画を考え、仲間同士交流を深めて励まし合っていきたいものです。
あれこれと今後のプランを考えながら、心地よい疲れと、みんなで作ったウィンナーをお土産に家路についた、とても幸せな1日でした。

今回参加してくださったみなさん、近いうちに必ずまた会いましょう。
また、ご多忙中にもかかわらず、時間をさいてお付き合いくださった、お友達やご姉妹の
みなさん、本当にありがとうございました。
さらに、今回お会いできなかった患者のみなさん、次の機会にはぜひご参加くださいね!
お会いできるのを楽しみにしています。