骨転移のある去勢抵抗性前立腺がんに対する「 ゾーフィゴ®静注」(一般名:塩化ラジウム-223)による治療を開始しました。
「ゾーフィゴ」は世界で初めてアルファ線(α線)と呼ばれる放射線を用いて、骨に転移したがん細胞に対して治療効果を発揮する、新しいタイプの放射性医薬品です。
2016年9月より当院ではゾーフィゴによる治療を開始しており、生存期間の延長や、骨転移による痛みや骨折などの症状出現までの期間の延長が期待できます。
多くの場合、早期前立腺がんは手術や放射線照射で治療します。進行前立腺がんは内分泌治療といって、精巣摘除または同じ効果を持つ注射薬と内服薬を組み合わせて治療します。内分泌治療は数年で効果が弱くなって、病勢が悪化に転じることが多くなります。この状態を去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)といいます。
CRPCの治療には従来、抗がん剤の点滴や内服の治療がありましたが、今回新たに、放射線同位元素であるゾーフィゴという注射薬が加わりました。
ゾーフィゴの成分であるラジウム223はカルシウムと性質が似ていて、注射すると骨に取り込まれます。その性質を利用して、骨転移の治療薬として使用されるようになりました。ゾーフィゴからでる放射線はアルファ線といって、エネルギーが高く、がん細胞を破壊する力が強いという特徴があります。しかし、体内でアルファ線の力が届く距離は 0.1ミリ未満と短いことから、正常細胞に影響を及ぼすことは比較的少ない利点があります。
ゾーフィゴは4週間隔で6回投与します。個々の患者様の治療日程に合わせて注文します。薬剤の有効期限が極めて短いため、注射日の変更は原則できません。
ゾーフィゴは生存期間の延長効果を期待できる治療法です。また生活の質の向上も期待でき、ヨーロッパでは骨転移を有するCRPCに対する第一選択薬として使用されています。2016年9月より当院でも治療を開始しております。
※保険診療の自己負担金の他に、選定療養費8,640円をご負担いただいております。
2006.09.01
2013.06.14
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