公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

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外科研修プログラム

外科研修プログラム(1年目)

プログラム指導者 寺嶋 宏明

1.プログラムの目的と特徴

外科は内科と並んで臨床医学の根幹をなすものであり、臨床医としての基礎を築く上でとても大切な研修と考えている。外科総合プログラムでは、外科分野における基本的知識や手技を、消化器外科研修を通じて学び、修得してもらう。なお、外科総合プログラム選択者は1年目に消化器外科2ヶ月間の研修を必修としており、それ以外の内科総合/産科小児/自由選択プログラムでも希望者は消化器外科研修を月単位で受け入れている(1年目、2年目を問わず)。研修期間中はできるだけ多くの患者と接してもらい、指導医の指導の下で消化器手術を必要とする疾患についての解剖・消化器病学・病理学・治療法などの基礎を理解する。また、周術期管理を通じて、一般外科の適切な全身管理についての基本的な知識や技術の習得を目指す。

  1. 外科病棟においては、常時5~10例程度の手術症例を指導医(直接指導者はレジデントや医員)とともに担当し、患者及び家族関係(インフォームドコンセントの意義など)、一般外科の基本的知識※1と技術※2を学ぶ。消化器外科としての対象疾患は主に消化器癌であることから、術前診断から手術さらには術後管理といった癌治療の一連の流れを理解する。また周術期管理を通じて、種々の病態を理解し、病態別の検査計画、治療計画を指導医と共に立案実行する。
    <キーワード> インフォームドコンセント、周術期病態生理(輸血・輸液、血液凝固、栄養、代謝学、外科的感染症、創傷治癒)
    ※1:輸液・輸血の基本、抗生物質/鎮痛剤/解熱剤の使い方、術前術後栄養サポート、化学療法(抗癌剤の使い方)など
    ※2:採血(動脈・静脈)、糸結び、縫合、導尿、ドレーン管理,局所麻酔法など
  2. 術日には1例以上の症例に助手として参加し、外科診療上で必要な局所解剖及び清潔操作の概念を理解する。また、手術を通じて手術侵襲を理解すると同時に、手術のリスクを判断する能力を習得する。
    <キーワード> 手術侵襲、耐術能評価、癌取り扱い規約、TNM分類
  3. 集学的治療に関連し、術前化学療法/術後補助化学療法や術前放射線療法の適応とその合併症について学ぶ。
    <キーワード> 腫瘍学、癌化学療法、放射線治療

2.研修指導体制

日本外科学会/日本消化器外科学会指導医が初期臨床研修医の指導を担当するが、実際的にはレジデントや医員の直接指導下で研修を受けてもらう。入院患者各人に対して、初期臨床研修医を含めた2~3人(直接指導医とその上級の臓器別指導者)が担当医となる屋根瓦方式の指導体制をとる。

  1. プログラム指導者
    1. 指導責任者:主任外科部長(寺嶋:肝胆膵外科)
    2. 日本外科学会指導医:1名(上田部長:上部消化管外科)
    3. 日本消化器外科学会専門医:2名(福田副部長:下部消化管外科、内田副部長:消化器外科一般)
  2. 基幹施設
    北野病院消化器外科

3.到達目標

    1. 概論・・・・本研修目標は1年次2ヶ月経過時の到達目標とする。
    2. 具体的到達目標
      • (1) 身体所見についての診察法
        • 全身の観察・診察を行い、バイタルサインなどを把握し、診療記録に記載する。
      • (2) 基本検査
        • 一般検査(血液・尿検査など)・心電図・呼吸機能検査・単純胸部腹部レントゲン、などの術前/治療前検査を指示し、それを解読して患者の全身状態・臓器機能・耐術能などを評価する。
        • 各種画像検査(CT/MRI/USG/消化管造影/血管造影)や内視鏡検査を疾患の種類に応じて適切に指示した上で、それらの結果を解読し、各疾患の進行度/進展度に応じた術式や治療方針を検討立案する。
        • 上記の内容をSOAP式に順次診療記録に記載し、指導医のチェックを受ける。
      • (3) 外科治療への参画
        • 手洗いやガウンテクニックを学び実践する。清潔/不潔の考えを理解する。
        • 手術の種類に応じて患者体位をとり、術野の消毒を正しく行う。
        • 実際の消化器外科手術に助手として参加し、手術の進行の仕組み、術者/助手の役割、各種手術操作の意味、外科的解剖などを理解する。状況によっては、術者として簡単な切開、排膿、縫合・結紮処置などを行う。
        • 周術期管理(輸液、輸血、抗菌療法、栄養、ドレーン管理、合併症対策やその治療、など)を学ぶ。
        • 術前経過(診断、IC過程、術前治療など)、手術内容、術後管理を経時的に診療記録に記載し、さらに週間サマリーや退院時サマリーを記載し、指導医のチェックを受ける。
      • (4) 学会/研究会での発表、論文執筆
        • 学会や研究会(日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会、近畿外科学会、大阪外科集談会など)で発表する機会を与える。指導医と共にスライド作成を行い、予演でチェック/推敲を経て本番に臨む。
        • 興味ある症例については、希望者には、指導医(スタッフ)の指導の下、論文を執筆してもらう(日本消化器外科学会雑誌、日本臨床外科学会雑誌など)。

外科研修プログラム(2年目)

プログラム指導者 寺嶋 宏明

1.プログラムの目的と特徴

1年次の消化器外科研修の経験を生かし、消化器外科領域の基本的知識・技術のさらなる習得を目指す。

  1. 外科病棟においては、消化器癌を主とする多くの消化器疾患患者を受け持ち、やや専門的とされる各臓器領域の問題点について基礎知識を蓄積する。
  2. 疾患別専門領域は下記の通り。
    1. 上部消化管(指導医:上田部長)
      ⇒食道癌・胃癌への治療戦略
    2. 下部消化管(指導医:福田副部長)
      ⇒結腸癌・直腸癌における治療戦略、内視鏡手術
    3. 肝胆膵(指導医:寺嶋主任部長、内田副部長)
      ⇒術前画像読影、術式決定、術前治療、術後治療など

※週1回の「術前カンファレンス」や「消化器センターカンファレンス」で、治療方針の理解を深める。

2.研修指導体制及び基本的目標

  1. 日本消化器外科学会指導医または専門医による手術指導を原則とする。ガイドラインに沿った臓器別の標準的診療について理解を深める。
  2. 虫垂炎手術、ヘルニア手術、胆嚢摘出術などの第1助手となり、さらに症例や状況に応じては術者となる。
  3. 基本的手技(切開・縫合・ドレーン処置など)を徹底的にマスターするとともに、術後管理に重点をおいた患者管理の習得を目指す。
  4. 各種学会/研究会(日本外科学会、日本消化器外科学会、日本肝胆膵外科学会、近畿外科学会、大阪外科集談会など)への発表を含めた症例報告論文(日本消化器外科学会雑誌、日本臨床外科学会雑誌など)の作成を考える。
  5. 論文の読み方、EMBの理解を深める。また、臨床試験や外科的研究(臨床研究、動物実験、in vitro実験など)の意義や実際を理解する。

3.到達目標

    1. 概論・・・・本研修目標は、1年次2ヶ月研修経験を踏まえた上での、2年次研修を対象とする。
    2. 具体的到達目標
      • (1) チーム医療
        • 医師・看護師・薬剤師・理学療法士などからなる医療チームの一員として協調的に医療に参画する。
        • 指導医や専門医に適切かつ適宜相談する。
        • 上級・同僚・他の医療従事者と適切な交流を行う。
      • (2) 医療面接・問診
        • 患者の病歴の聴取・記録する。
        • インフォームドコンセントが何であるのかを理解し、患者・家族に適切な指導、指示をする。
      • (3) 文書記録の記載
        • 患者の診療全般に関する記録文書を作成する。
        • 診療録をPOS(Problem Oriented System)に従って記載し、指導医のチェックを受ける。
        • 処方/処置/検査の入力、退院サマリーの正確な記載を行い、指導医のチェックを受ける。
        • 紹介状あるいは紹介状への返信を作成する。
      • (4) 医療安全・医療リスク管理
        • 医療現場での安全管理・医療リスクを理解し、患者の安全を確保する。
        • 医療事故防止、及び事故後の対処について、マニュアルなどに沿って行動する。
        • 院内感染対策を理解し、実施する。
      • (5) 術前管理
        • 術前の臓器機能(心肺腎など)を評価する(耐術能評価)。
        • 薬物投与の継続・中止等についての知識を持ち実践する。
        • 栄養管理(食事療法・経腸栄養・経静脈栄養)、輸液管理、周術期抗菌療法の知識を持ち、実践する。
        • 化学療法の使用適応・禁忌・投与方法を熟知した上で、指導医と共に処方し実践する。
      • (6) 外科治療への参画
        • 局所麻酔法、局所麻酔薬の種類を理解、し実施する。
        • 腹部手術に必要な解剖を理解し、手術術式について理解する。
        • 手術に必要な器具の使用方法を理解し、実施する。
        • 消化器癌に対する手術の考え方を理解し、適切な介助を行う。状況によっては、術者として執刀する。
        • 胃管の挿入や導尿などの処置を行う。
      • (7) 術後管理
        • 術後急性期の循環・呼吸器系の異常な病態について、理学所見・各種モニター指標・血液ガス分析・血液生化学的検査などを駆使して迅速に把握する。異常な病態に対しても、速やかな薬物治療や外科的処置によって対処する。
        • ドレーンやチューブ管理について、排液内容の観察と性状の判定を行う。
        • 創傷治癒機転を理解し、手術創を観察管理する。また、抜鉤/抜糸の原則を知り実施する。
    3. 週間予定
      • 月曜日:手術日
      • 火曜日:(午前)術前カンファレンス、(午後)術後カンファレンス
      • 水曜日:手術日
      • 木曜日:(午前)抄読会または学会発表予演会または研究カンファレンス(月1回)、(午後)病棟回診、(夕方)消化器外科・消化器内科・放射線科合同カンファレンス
      • 金曜日:手術日
      • 土曜日(第1/3/5のみ):手術日(腰麻/局麻手術のみ)