公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

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【休診日】第2・第4土曜、日曜、祝日、年末年始 【面会時間】13:00~20:00

乳腺外科研修プログラム

乳腺外科研修プログラム

プログラム指導者  高原 祥子

1.プログラムの目的と特徴

乳癌を中心とした乳腺疾患の診断と治療には、外科という領域にとどまらず、内科、放射線科、形成外科、薬剤部、臨床検査部、病理部などの領域の幅広い知識と技術を必要とし、検査や治療を受ける患者それぞれのニーズに適応し、統合していく技量を必要とする。さらに、癌の告知、乳房切除に伴うボディイメージの変化、化学療法に伴う副作用、遺伝性腫瘍の可能性など、患者が抱える問題を考え、看護師はじめとしたコメディカルとも協力して患者の身体的、精神的ケアを行うことも重要な役割である。総合的に乳腺疾患に関わる領域のチーム医療が実践出来ることを目的とする。

2.指導体制

乳腺外科専門医、外科専門医、日本外科学会指導医等の資格を有するスタッフが中心に行う。研修医は、それまでの研修実績を踏まえて、研修期間に応じた到達目標を設定し、部長は毎月1回、研修医と面談し、到達度や問題点について話し合う。

3.具体的な到達目標

(1)乳腺疾患の診断
  1. 病歴を聴取し、診療録をPOSに従って記載し管理できる。
  2. 乳房・腋窩の視・触診ができ、所見を正しく記載できる。
  3. 乳房の超音波検査の適応が判断でき、結果が解釈できる。
  4. マンモグラフィーの適応が判断でき、正しく所見が記載できる。
  5. 乳房MRIやCTなど画像検査の適応が判断でき、結果は解釈できる。
  6. 穿刺吸引細胞診の適応を判断でき、実施できる。
  7. 組織診(core needle biopsy/マンモトーム生検)を実施できる。
(2)乳腺疾患の治療
  1. 治療指針(ガイドライン)を理解し、説明できる。
  2. 基本的な手術手技について理解し、説明できる。
    1. 胸筋温存乳房切除術
    2. 乳房部分切除術
    3. 皮膚温存乳腺全摘術
    4. 乳腺腫瘍摘出術
    5. センチネルリンパ節生検
  3. 術前・術後管理、合併症について説明、管理できる。
  4. 病理検査・癌登録について理解し、説明できる。
  5. 化学療法の適応および副作用を説明できる。
    1. 化学療法剤の作用機序と副作用
    2. アンスラサイクリン系 (FEC/EC/AC)
    3. タキサン系 (パクリタキセル、ドセタキセル、nab-パクリタキセル)
    4. 非タキサン (ビノレルビン、ジェムシタビン、エリブリン等)
    5. 経口5FU製剤(カペシタビン、エスワン)
  6. ホルモン療法の適応および副作用を説明できる。
    1. ホルモン療法薬の作用機序と副作用
    2. 抗エストロゲン薬
    3. アロマターゼ阻害剤
    4. LH-RH アゴニスト
  7. 7. 分子標的療法の適応と副作用について説明できる。
    1. 抗HER剤 (トラスツズマブ、ラパチニブ)
    2. 抗VEGF剤 (べバシヅマブ)
    3. CD4/9阻害剤 (パルボシクリブ、アベマシクリブ)
  8. 放射線治療の適応と副作用が説明できる。
    1. 残存乳腺に対する術後照射
    2. 所属リンパ節領域に対する術後照射
    3. 骨転移や脳転移など転移巣に対する放射線療法
  9. その他の治療の適応と副作用が説明できる。
    1. 骨転移に対するビスフォスフォネート製剤 (デノスマブ、ゾレドロン酸)
    2. PARP阻害剤 (オプジーボ)
  10. 遺伝性腫瘍について理解し、説明ができる。
    1. 家族性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)について理解し、説明ができる。
    2. その検査と予防法について理解し、説明できる。
    3. 他の遺伝性腫瘍にいて、理解できる。
    4. 遺伝カウンセリンングについて理解できる。
  11. 再発治療を理解し、説明できる。
  12. 緩和医療を理解し、説明できる。
  13. 地域連携に関して理解し、説明できる。
(3)乳腺疾患患者のケア
  1. 自己検診を説明できる。
  2. 癌の告知と精神的ケアを理解し、実施できる。
  3. 乳癌手術後のケアを説明できる。
  4. 化学療法中のケアを説明できる。
  5. 患肢リンパ浮腫のケアを説明できる。
(4)学術活動
  1. 研究会・学会にて症例報告ができる。

4.週間予定・教育活動

週間予定
午 前 午 後
月曜日 ・回診/外来診療
・外来化学療法
・外来診療/マンモトーム生検
・抄読会/フリーディスカッション
火曜日 ・回診/外来診療
・入院/外来化学療法
・手術
・マンモトーム生検
水曜日 ・回診/外来診療
・外来化学療法
・外来診療
・カンファレンス(放射線医、形成外科医)
木曜日 ・回診/外来診療
・入院/外来化学療法
・手術
・マンモトーム生検
金曜日 ・回診/外来診療
・入院/外来化学療法
・手術
土曜日 ・外来診療/外来手術  

5.評価方法

研修医の到達度に関する評価は、指導にあたった研修指導医、乳腺外科外来看護師、病棟看護師などの意見に加えて、(1)研修医による自己評価、(2)受け持ち症例のレポート、(3)カンファレンスでの発表、(4)抄読会での発表などを参考に統括責任指導医にあたる乳腺外科部長により行われる。