公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

【初診外来受付時間】8:45~11:30(※来院前に必ず診療科別受付状況をご確認ください)
【休診日】第2・第4土曜、日曜、祝日、年末年始 【面会時間】13:00~20:00

血液内科研修プログラム

血液内科研修プログラム

プログラム指導者    有馬  靖佳

1. 基本理念

  1. 質の高い血液内科診療を実践し、全人的な医療の実践を可能にする。
  2. 病む人の立場に立つ医師としての基本姿勢、態度を身につける。
  3. 医師、看護師、コ・メディカル部門とともに、チーム医療のために必要なコミュニケーション能力を身につける。
  4. 臨床研究という視点から病態を観察し、独自の発想で提起した問題を、自ら解決する習慣を育む。
  5. 高額な先進医療を、的確に提供することによって、適切な経済観念を確立する。

2. 研修の目的と特徴

北野病院は位置的にも大阪キタの要所にあり、各診療科が質の高い医療を提供できる体制を整えた中核病院です。最善の医療が先進のものである場合は、その実践が要求されています。血液内科は日本血液学会の認定研修施設であり、さい帯血バンク登録移植医療機関、非血縁者間骨髄採取認定施設・移植認定診療科、非血縁者間末梢血幹細胞採取認定施設・移植認定診療科でもあり、指導体制も整っており、研修の場としては理想的な環境だと思われます。    

その中にあって、血液疾患の患者は合併症や併発症が多彩なので、血液内科医には多臓器の病態とそれらの関連に目を配った、全人的な診療が要求されます。病む人の立場に立って、最適な治療方法を模索していくことが必要ですし、治療方針の決定は十分なインフォームドコンセント抜きでは成立しません。血液内科領域の診療に関しての基本的知識・技術を習得しながら、全般的な診療能力を身につけ、さらにコ・メディカルとの協調・協力、患者家族との密な連携も必要です。抗癌剤治療を効果的かつ安全に行い、必要な輸血を安全に行う方法を身に付け、的確な適応に基づく造血幹細胞移植を実践し、その中でマイズドホストに発する感染症を的確に診断治療することも目標です。血液内科診療は多くのエビデンスが確立しているので、いかに最新の知識・指針を把握し、それに則った治療を行えるかのトレーニングが重要です。

3. 指導体制

研修責任者:有馬 靖佳 日本内科学会認定医・総合内科専門医・指導医、日本血液学会専門医・指導医・代議員、日本造血細胞移植学会造血細胞移植認定医・評議員、日本エイズ学会認定医、日本臨床腫瘍学会暫定指導医、日本医師会認定産業医、京都大学臨床教授、医学博士 
指導医:北野 俊行 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本血液学会認定血液専門医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医・指導医
指導医:饗庭 明子 日本内科学会認定医・総合内科専門医・指導医、日本血液学会専門医・指導医、日本造血細胞移植学会造血細胞移植認定医、日本医師会認定産業医、医学博士
指導医:田端 淑恵 日本内科学会認定医、日本血液学会専門医・指導医、日本造血細胞移植学会造血細胞移植認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、細胞治療認定管理師、医学博士
指導医:山本 和代 日本内科学会認定医
指導医:瀧内 曜子 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本血液学会専門医、医学博士

4. 到達目標

<1> 一般目標
血液疾患は多彩だが、特に貧血、血小板減少、白血球減少は普遍的に体験しやすい病態であり、適切な診断と処置が重要である。適切に輸血療法を行えるようになる必要がある。血液内科の入院患者には、化学療法を受けている悪性腫瘍が多く、抗癌剤の適切な投与法を学ぶことが要求される。治療計画はエビデンスに基づいたものでなければならない。同時に患者や家族に対する接し方を学ぶ。
<2>行動目標
指導医から学ぶだけでなく、積極的に自ら診療に携わる熱意が期待される。グループ診療の一員として、他科への適切なコンサルテーション、コ・メディカルとの協調、紹介状や紹介状への返信作成などを期待される。抗癌剤の投与機会や、易感染患者の診療などを通じて、リスクマネジメントや院内感染対策の概念を習熟する。
<3>経験、修得すべき事項
  1. 経験すべき頻度の高い症状
    リンパ節腫脹、発疹、発熱、動悸、呼吸困難、鼻出血、咳・痰、腹痛、嘔気、便通異常、腰痛、体重減少、不眠、不安・抑うつなど
  2. 緊急を要する症状、病態
    ショック、意識障害、大量出血
  3. 経験すべき疾患、病態
    各種貧血(鉄欠乏性、再生不良性、悪性、溶血性、二次性等)、白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、血小板減少症、凝固異常、血栓性疾患、DIC、感染症(ウイルス、細菌、真菌)、不明熱、後天性免疫不全症
<4>習得すべき知識、検査
  •  1)貧血の鑑別診断
  •  2)末梢血液像の見方
  •  3)骨髄塗抹標本、骨髄組織像の見方
  •  4) リンパ節生検における特殊検査とその意味
  •  5) 出血・凝固異常の鑑別診断
  •  6)造血器腫瘍性疾患の鑑別診断
  •  7)血清蛋白異常症の鑑別診断
  •  8)血液疾患に関する画像診断(胸腹部CT、MRI、シンチグラム、PET等)
  •  9) 病型分類(表面マーカーによる診断、DNA 診断、染色体分析、リンパ節の病理組織像など)
  •  10) 抗腫瘍剤の作用機序と副作用
  •  11) 造血幹細胞移植に関する知識
  •  12) 免疫不全に伴う感染症の鑑別診断と治療法
<5>習得すべき検査および治療手技
  •  1) 末梢血および骨髄塗沫標本の作製
  •  2) 骨髄穿刺・生検
  •  3) 腰椎穿刺、胸腔・腹腔穿刺
  •  4) 鎖骨下静脈穿刺
  •  5) フローサイトメトリー法の提出と解釈
  •  6) 染色体・遺伝子検査の提出と解釈
<6>習得すべき治療法
  1. 意義を理解し、自らもその一部〜全部を実施するもの
    •  1)各種貧血の治療
    •  2)成分輸血療法 自己血輸血
    •  3)瀉血療法
    •  4)免疫抑制療法 ステロイド療法(経口、パルス)
    •  5)各種造血器腫瘍の化学療法
    •  6)compromised host における感染症の治療、無菌室での治療 
    •  7)DIC の治療
    •  8)サイトカイン療法
    •  9)抗体療法 分子標的療法
    •  10) 末梢血幹細胞採取、骨髄移植採取
    •  11) 末梢血幹細胞凍結保存
    •  12) 造血幹細胞移植(末梢血、骨髄、臍帯血)
  2. 意義を理解し、適応を判断できるもの
    •  1) 悪性リンパ腫、骨髄腫等の放射線療法
    •  2) 血漿交換療法
  3. 治癒を断念したQOL療法
  4. ターミナルケア

5.教育スケジュール

1) 研修医が参加する週間スケジュール(義務および任意を含む)
移植症例・病棟カンファレンス 水曜日 15:00-16:00 pm
顕微鏡カンファレンス 火曜日 16:00-17:00 pm
文献抄読会 火曜日(月2回) 17:00-17:30 pm
組織診断カンファレンス 火曜日(月1回) 17:00-17:30 pm
カルテ回診 木曜日 14:00-15:00 pm
病棟回診 木曜日 15:00-16:00 pm
内科症例検討会およびCPC 木曜日 17:00-18:00 pm
ランチョンレクチャー 金曜日 12:00-12:40 pm
2)研修医が参加して有益と思われる行事
北野臨床血液セミナー 年2回
Meet the Hematologist 年1回
Blood Master 年1回
大阪血液疾患談話会 年2回
近畿臍帯血移植研究会 年1回
Osaka Blood Club 年1回

6. 評価方法

研修医は受け持った症例ごとのカルテ記載、サマリー作成を求められる。プログラム責任者は、毎週その内容をチェックし、これを元に別途定める書式によって、研修医の評価を行う。研修医評価項目には、医学の基本知識、問題把握能力、問題解決能力、コミュニケーション能力、症例提示能力、勤務態度、協調性、責任感、誠実性、などの項目が含まれる。