公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院

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【休診日】第2・第4土曜、日曜、祝日、年末年始 【面会時間】13:00~20:00

腎臓内科研修プログラム

腎臓内科研修プログラム

プログラム指導者    塚本  達雄

1. プログラムの目的と特徴

1) 基本理念

腎臓内科学は一次性腎糸球体疾患や全身性疾患による罹患臓器としての二次性腎疾患のほか先天性腎疾患や治療関連性腎機能障害も対象とする。さらに高度に腎機能低下をきたした患者さんには、透析療法(血液透析、腹膜透析)や腎移植などの腎代替療法を行っている。腎臓内科研修では、総合診療的視点から患者さんの診療支援を行うために、その臓器特異性から生じる様々な病態の把握を確実に行う能力を身につけ、最適な治療法を選択するための研修をおこなう。

2) 一般的目標

上の基本理念を念頭に置き以下の事を目的とする。

2. 指導体制

主任部長1名、副部長3名、医員1名と腎臓内科専攻医4名が指導に当たる。主任部長および副部長は日本内科学会認定総合内科専門医、日本腎臓学会専門医・指導医、日本透析医学会専門医・指導医の資格を有する。

3. 具体的な到達目標

基本的診察法

主訴、家族歴、既往歴の聴取(学校検尿や職場での健康診断結果も含む)
身体所見(浮腫、高血圧、貧血など)

習得すべき検査法
  1. 一般検査
    • 実行できる検査:血液・尿検査、画像診断、組織診断
    • 結果の理解と判断が出来る検査:血液・尿検査、画像診断、組織診断
  2. 腎特殊検査の理解
    • 腎機能検査(クレアチニンクリアランスなど)
    • 各種負荷テスト(水、塩化アンモニウム、重曹負荷)
    • 腎画像診断(エコー、シンチグラム、CT、MRI、腎動脈造影)
    • 腎生検(小児例を含む)
    • シャントエコー検査
    • 副甲状腺エコー検査
治療手技の習得と治療法の理解
  1. 腎炎、ネフローゼの治療
    • 実施できる治療法…薬物療法(ステロイド療法など)、食事療法、アフェレシス療法
    • 適応の理解と効果の判定…尿所見・腎機能
  2. 腎不全の治療
    • 1)内科的治療
    • 実施できる治療法:薬物療法(降圧剤、利尿剤、吸着剤、エリスロポイエチン製剤など)、食事療法(食塩制限、蛋白制限など)
    • 適応と効果の判定が出来る治療法:腎機能低下進行抑制、心血管系合併症の早期発見
    • 2)透析療法
    • 血液透析と腹膜透析の処方と管理
    • 実施できる手技:シャント穿刺
    • 見学して理解が出来る治療:動静脈血管吻合術、透析用ダブルルーメンカテーテル挿入術、 腹膜透析カテーテル挿入術、狭窄したシャント血管の経皮的血管形成術(シャントPTA)
    • 3)腎移植療法
    • 適応と実施後の患者管理
    • 実施できる治療法:腎移植周術期管理、免疫抑制療法、アフェレシス療法
    • 見学して施行術の理解が出来る治療:腎移植術、移植腎生検
  3. 各種血液浄化療法の理解と効果の把握
    • 血漿交換療法(単純血漿交換、二重濾過血漿交換)、血液吸着療法(免疫吸着、エンドトキシン、LDL吸着)、リンパ球/顆粒球吸着療法、腹水濃縮等
ローテーションの間に習得すべき対象となる病態と疾患名

4. 教育課程

(1) 研修医が参加する週間予定・教育活動
10:00〜12:00 シャントPTA
13:00~15:00
8:30〜10:30 腎臓内科病棟カンファレンス
10:30~11:00 腎臓内科病棟回診
15:00〜17:00 腎生検カンファレンス
8:30〜9:00 ジャーナルクラブ
10:30〜12:00 腎生検見学
12:00〜12:50 救急症例検討会またはランチョンセミナー(診療科共通研修)
9:00~11:00 動静脈シャント形成術
13:00〜16:00
8:00〜9:00 血液浄化センターカンファレンス
15:30~16:30 腎エコー見学、実施
17:00〜18:00 内科症例検討会・剖検症例検討会(内科共通研修)
9:00〜9:30 腎臓内科重症患者回診
12:00〜12:50 救急症例検討会またはランチョンセミナー(診療科共通研修)

その他の時間は毎朝午前9時から準備される血液浄化法の見学を行う。

2) 研修医が参加して有益と思われる活動

京大北野腎病理カンファレンス(毎月)、京大北野腎病理強化カンファレンス(年3回)、新関西腎疾患カンファレンス(隔月)、Webセミナー(適宜)への参加。機会があれば日本内科学会、日本腎臓学会、日本透析医学会会、日本アフェレシス学会などでの発表や論文作成。

5. 研修修得度の評価

主任部長、病棟看護師長、臨床工学技士長により、EPOCシステムの評価項目などに従って評価する

  1. 研修の到達度
  2. 研修意欲
  3. 上級医、同僚,コメデイカルを含む他のスタッフとのコミュニケーション能力
  4. 医師としての責任感
  5. 学会発表や論文作成

6. 腎臓内科研修の特色

当院腎臓内科では、①常染色体優性多発性嚢胞腎などの先天性腎疾患、②慢性糸球体腎炎や一次性ネフローゼ症候群などの腎固有疾患、③糖尿病・高血圧などの生活習慣病や膠原病などを背景とした二次性腎疾患および④他診療科での治療に伴い腎機能障害をきたす治療関連腎障害に対して、腎炎・ネフローゼ症候群に対するステロイド・免疫抑制療法やアフェレシス療法、慢性腎障害患者に対する生活指導と地域包括ケアとの連携、血液透析や腹膜透析の開始および継続、生体腎移植、他診療科との連携診療、急性血液浄化療法の実施など、腎臓病の治療・管理のみならず他診療科担当疾患での腎臓内科的視点から見た診療支援を実践しており、患者中心の医療を提供しています。